法律の資格を取りたいと思っても、宅建士、行政書士、司法書士など、名前を並べるだけでは何から始めればいいのか迷いますよね。

まだ目指す仕事が決まっていない人は、まず法律を学ぶ入り口を選んでみましょう。仕事で使う契約や取引の知識に興味があるならビジネス実務法務検定3級、憲法・民法・刑法などを基礎から学びたいなら法学検定ベーシックが候補になります。教材や出題範囲を見て、自分が学んでみたいと思える方から始めると選びやすくなります。

一方、不動産、人事・労務、登記など、やりたい仕事が決まっている人は、その分野に関わる資格から考えましょう。宅建士から行政書士、司法書士へと、すべてを順番に取る必要はありません。受験条件を確かめたうえで、目標の資格を直接目指す方法もあります。

このページでは、法律系資格の違いを一覧で整理し、初めて学ぶ人の入り口と、就職・転職・独立を考える人の学習ルートを紹介します。まずは自分に合う一つを選び、必要になった段階で次の資格を考えていきましょう。

参考記事 : 就職・転職に役立つ資格ランキング

何から始めるかは 学びたいことと目指す仕事で決めよう

資格を選ぶときは、「法律に興味がある」「今の仕事で使いたい」「専門家として働きたい」のどれに近いかを考えてみてください。

法律の勉強が初めてで、自分に合うか確かめたい人は、基礎的な検定の教材を読んでみるのが一つの方法です。初めから難しい試験だけを見て諦めるより、身近な契約や暮らしの問題を通して法律に触れる方が、興味を持ちやすい人もいるでしょう。

就職・転職したい業界が決まっている人は、求人票から逆に考えてみましょう。不動産の仕事なら宅建士、人事・労務の専門性を高めたいなら社労士など、仕事と資格を結び付けます。資格が応募の必須条件なのか、歓迎条件なのか、実務経験も必要なのかまで確認すると、何を優先して学ぶべきかが見えてきます。

独立開業したい人は、「資格を取った後に、誰のどんな困りごとを解決したいか」を考えることも大切です。許認可の手続きを支えたいのか、登記を扱いたいのか、労務の相談に対応したいのかで、必要な資格は変わります。

現在の目的最初に検討したい資格や行動
仕事で使う法律知識を身につけたいビジネス実務法務検定3級の出題範囲と教材を見る
法律そのものを基礎から学びたい法学検定ベーシックの出題範囲と教材を見る
不動産取引に関わりたい宅建士の仕事内容と試験を調べる
許認可や行政手続きに関わりたい行政書士の業務分野を調べる
人事や労務を専門にしたい社労士の業務と自分の受験資格を確認する
不動産登記や会社の登記に関わりたい司法書士の仕事内容と試験を調べる
特許や商標などの知的財産に関わりたい弁理士の業務と試験を調べる
弁護士や裁判官 検察官を目指したい司法試験を受けるためのルートから確認する

法律系資格の一覧と違い

法律系資格には、法律の知識を確かめる民間資格や検定と、一定の業務に関わる国家資格があります。「試験に合格すること」と「資格者として仕事をすること」は別の段階なので、受験条件と合格後の手続きを分けて見ていきましょう。

資格やルート主な分野受験条件の概要合格後の確認事項
ビジネス実務法務検定契約や取引など企業活動の法律知識学歴や年齢などの制限なし。2級からも受験可能知識を評価する検定。独占業務を行う資格ではない
法学検定憲法 民法 刑法などの法律学受験資格の制限なし学習段階に合ったコースを選ぶ。独占業務を行う資格ではない
宅地建物取引士不動産取引の重要事項説明など日本国内に居住し 所定の居住区域の条件を満たす。年齢や学歴などの制限なし資格登録と宅地建物取引士証の交付
行政書士許認可などの申請書類の作成や手続き年齢 学歴 国籍などの制限なし行政書士として業務を行うには登録と入会が必要
社会保険労務士労働 社会保険の手続きや人事労務学歴 実務経験 所定の試験合格などの要件あり所定の実務経験または事務指定講習などを経て登録と入会
司法書士不動産や会社の登記 裁判所提出書類の作成など年齢や学歴などの制限なし登録と所属する司法書士会への入会
弁理士特許 意匠 商標などの知的財産年齢 学歴 国籍などの制限なし試験合格ルートでは実務修習の修了と登録
司法試験から法曹へ進むルート訴訟や法律相談などの法律実務法科大学院修了 予備試験合格 所定要件を満たす法科大学院在学中受験司法修習と考試など。弁護士には登録 裁判官や検察官には採用の手続きも必要

各制度の代表的な試験合格ルートを簡略化しています。免除や特例、欠格事由、受験できる期間、登録の条件などには個別の規定があります。申込みや登録の前には、実施団体の最新案内を確認してください。

初めて法律を学ぶ人に向く二つの入り口

仕事とのつながりを感じながら学ぶなら ビジネス実務法務検定

ビジネス実務法務検定は、企業活動に必要な法律知識を学ぶ検定です。営業で契約に関わる人、総務や人事の仕事をする人などが、自分の仕事と結び付けて法律を学ぶ入り口になります。

初めてなら、まず3級の教材や出題範囲を見てみましょう。契約や取引など、仕事で出会う場面を思い浮かべながら読めるかが判断の目安です。法律の基本を身につけた後に、より広い知識を扱う2級へ進む方法があります。すでに学習経験がある人は、3級を経ずに2級を受験することもできます。

この検定に合格しても、法律相談の代理など専門資格が必要な業務を自由に行えるようになるわけではありません。自分の仕事の問題点に気付き、専門家への相談につなげる力を養う学習として考えると、使い道が分かりやすくなります。

関連記事:ビジネス実務法務検定の資格概要

法律の仕組みを基礎から学ぶなら 法学検定

法学検定は、法律学の知識や理解を確かめる試験です。ベーシックでは法学入門、憲法、民法、刑法を扱います。「法律はどのような考え方でできているのか」を学びたい人や、大学などで学んだ内容を確かめたい人に向いています。

ベーシックのほかにスタンダード、アドバンストがあり、現在の理解度に合わせて選べます。受験資格の制限はありません。

ビジネス実務法務検定と迷う場合は、仕事の場面から入りたいか、法律学の基礎を学びたいかで比べてみてください。両方を取ることを先に目標にする必要はありません。まず一つを学び、次に深めたい分野が見えてきてから考えましょう。

関連記事:法学検定の資格概要

専門的な仕事につなげたい人が考えたい資格

不動産の仕事につなげるなら 宅地建物取引士

宅建士は、不動産取引で行われる重要事項説明などを担う資格です。不動産の売買や賃貸借に関わる仕事に興味がある人は、最初の国家資格として検討する価値があります。

ただし、不動産会社のすべての仕事に宅建士資格が必須という意味ではありません。資格の必要性は担当する業務によって異なります。求人票と仕事内容を一緒に見ることが大切です。

宅建試験には年齢や学歴などの制限はありませんが、日本国内に居住し、各都道府県知事が定める区域に居住していることが申込みの条件です。合格後に宅建士として業務を行うには、資格登録と宅地建物取引士証の交付が必要です。登録に必要な実務経験が2年に満たない場合には、登録実務講習を修了する方法があります。

宅建士から法律学習を始めた後、許認可に関心を持てば行政書士、登記に関心を持てば司法書士を調べると、次の目標を考えやすくなります。ただし、宅建士の取得はそれらの試験の前提条件ではありません。

関連記事:宅建士の仕事内容と試験概要

許認可や行政手続きを支えたいなら 行政書士

行政書士は、官公署に提出する許認可等の申請書類や、権利義務・事実証明に関する書類の作成などを扱います。事業を始める人や、手続きを進めたい人を支える仕事に関心があるなら、業務内容を調べてみましょう。

「法律に関わることなら何でも扱える」という資格ではなく、他の法律によって制限される業務があります。独立を考える場合も、漠然と法律家になりたいと考えるだけでなく、どの手続きや依頼者を支援したいのかを具体的にしていくことが大切です。

試験には年齢・学歴・国籍などの制限がありません。行政書士として業務を行うには、試験合格などにより資格要件を満たしたうえで、日本行政書士会連合会への登録と都道府県行政書士会への入会が必要です。

民法や行政法などの学習は、他の法律分野に関心を広げるきっかけにもなります。ただし、次の資格を増やすことだけを目的にせず、行政書士の知識をどの仕事に生かしたいかを先に考えてみてください。

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人事や労務の専門性を高めたいなら 社会保険労務士

社労士は、労働・社会保険に関する手続きや、人事・労務管理の相談などを扱う資格です。会社の人事や総務で働く人、企業の労務管理を支援したい人は、仕事内容とのつながりを考えやすいでしょう。

最初に確認したいのは受験資格です。社労士試験は、学歴、実務経験、所定の国家試験合格などの条件のいずれかを満たす必要があります。行政書士試験の合格は受験資格の一つですが、すでに別の条件を満たしていれば、行政書士を先に取る必要はありません。

合格後の登録要件も別にあります。原則として所定の実務経験2年以上、またはそれに代わる事務指定講習の修了などが必要です。そのうえで、全国社会保険労務士会連合会への登録と都道府県会への入会を行います。

行政書士と社労士の両方を取得し、許認可と労務など異なる分野から事業者を支援する考え方もあります。両方の資格があればすべての経営相談に対応できるわけではないため、それぞれの業務範囲と自分の実務能力を確かめながら広げていきましょう。

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不動産や会社の登記に関わりたいなら 司法書士

司法書士は、不動産登記や商業登記の申請手続き、裁判所に提出する書類の作成などを扱います。不動産の権利や会社に関する法律手続きを支える仕事に関心がある人にとって、目標になる資格です。

法務大臣の認定を受けた司法書士は、簡易裁判所で扱う訴額140万円以下の民事訴訟の代理なども、法律で定められた範囲で行えます。すべての司法書士が、あらゆる裁判の代理をできるわけではありません。

試験には年齢や学歴などの制限がなく、宅建士や行政書士を先に取得する必要もありません。登記の専門家になりたいと決まっているなら、司法書士試験の学習から始める選択肢があります。資格者として業務を行うには、合格後に登録と入会の手続きが必要です。

他の資格で学んだ民法などが役立つ部分はありますが、司法書士試験では登記法や記述式への対策など、その試験に合わせた学習が必要です。すでに持つ資格の数よりも、試験科目と自分の理解度を照らし合わせて計画を立てましょう。

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特許や商標に関わりたいなら 弁理士

弁理士は、特許・実用新案・意匠・商標など、知的財産に関わる手続きや相談を扱います。発明や技術だけでなく、製品のデザイン、商品やサービスの名称などに関心がある人も、仕事内容を調べてみるとよいでしょう。

弁理士試験には学歴・年齢・国籍などの制限がなく、理系の学位が受験の必須条件ではありません。ただし、将来扱いたい業務によって、技術や事業への理解が役立つ場面は異なります。受験できるかどうかと、仕事でどの強みを持ちたいかを分けて考えましょう。

試験合格ルートでは、合格後に実務修習を修了し、日本弁理士会に登録する必要があります。知的財産の仕事が目標なら、他の法律資格を一通り取るより、弁理士の試験制度と業務を直接調べる方が、必要な準備を整理しやすくなります。

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弁護士や裁判官 検察官を目指すなら 司法試験へのルートを確認しよう

弁護士、裁判官、検察官を法曹三者と呼びます。訴訟や法律相談などの法律実務を担うことが目標なら、まず司法試験を受けるための条件を確認しましょう。

主な受験資格には、法科大学院の課程修了、司法試験予備試験の合格、所定の要件を満たす法科大学院在学中受験があります。受験できる期間などにも規定があるため、自分が利用するルートを公式案内で確認する必要があります。

司法試験に合格した後にも司法修習と考試などの段階があります。在学中受験で合格した人が司法修習に進むには、法科大学院の修了も必要です。弁護士として働くには登録が必要で、裁判官や検察官にもそれぞれ採用の手続きがあります。

宅建士、行政書士、司法書士を順に取得することは、司法試験の受験条件ではありません。法曹を目指す意思が固まっているなら、受験資格を得るまでの期間や費用も含め、自分の学習計画を立てましょう。ほかの資格に挑戦するかは、その仕事にも関心があるか、現在の計画と両立するかを考えて判断してください。

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目的別に考える 法律資格のステップアップ

法律資格のステップアップでは、これまで学んだ知識を土台にして、理解を深めたり、扱える分野を広げたりすることが大切です。共通する科目があれば、初めて法律を学ぶときとは違う出発点に立てます。ただし、同じ民法でも試験によって範囲や問われ方は異なり、新たな専門科目の学習も必要です。

検定の上位級へ進む方法も、国家資格を組み合わせて専門性を広げる方法もあります。ここでは、学習内容と仕事のつながりから、具体的な進み方を見ていきましょう。

ビジネス実務法務検定3級から2級へ 契約や取引の理解を深める

3級で学ぶ契約、債権の管理・回収、会社の仕組みなどは、2級でも土台になります。2級では、債権の担保や取引先の倒産への対応、株式会社の運営、国際法務などを、より詳しく学んでいきます。

例えば、売買契約の基本を理解したうえで、代金を回収できなくなるリスクにどう備えるか、相手が支払えなくなったときにどの制度が関係するかまで考えるのが、学習を一段深めるイメージです。

営業や総務などの仕事で法律上の問題に気付き、必要な情報を整理して専門家に相談する力を伸ばしたい人に向いています。3級の知識を仕事で使い始め、「もう少し詳しく判断材料を持ちたい」と感じたときに、2級を次の目標にできます。学習経験があれば、2級から受験することも可能です。

法学検定ベーシックからスタンダードへ 基本科目を深めて関心分野を広げる

ベーシックでは法学入門、憲法、民法、刑法を学びます。スタンダードでは法学一般、憲法、民法、刑法が必須となり、さらに民事訴訟法、刑事訴訟法、商法、行政法、基本法総合から1科目を選びます。

憲法・民法・刑法の基礎を復習しながら、より踏み込んだ内容に取り組めるのが、この進み方の特徴です。選択科目によって、学びたい方向も広げられます。例えば、民法で学んだ権利を裁判でどのように実現するのかに関心があれば民事訴訟法、会社や取引の仕組みに関心があれば商法が候補になります。

行政書士などを視野に入れて行政法を選ぶ方法もあります。ただし、検定の学習だけで専門資格の試験対策が済むわけではありません。共通科目の基礎を固めた後、目標の試験に合わせて学び直すことが必要です。

宅建士から行政書士へ 民法の知識に行政手続きの知識を加える

宅建試験で学ぶ契約、代理、所有権、相続などの民法の知識は、行政書士試験の民法を学ぶ際にも生かせます。法律用語や権利関係の考え方に慣れていることは、次の学習を進める助けになります。

一方、行政書士試験では、行政手続法、行政不服審査法、行政事件訴訟法などを含む行政法を新たな柱として学びます。憲法、商法、基礎法学、基礎知識への対策も必要で、民法も宅建試験の学習範囲だけでは足りません。択一式に加え、記述式への準備も必要です。

仕事との組み合わせでは、不動産取引の知識に、農地転用や開発行為の許可申請など、土地利用に関わる行政手続きの専門性を加える方向が考えられます。不動産の仕事を通じて許認可にも関心が広がった人には、次の学習目的を具体化しやすい組み合わせです。

行政書士から社労士へ 事業の手続き支援から人事・労務へ広げる

行政書士試験の合格は、社労士試験の受験資格の一つです。ただし、試験内容がそのままつながるわけではありません。行政書士で身につけた条文の読み方や制度を整理する学習経験は生かせますが、社労士では労働基準法、労災保険法、雇用保険法、健康保険法、年金関係の法律など、別の専門分野を本格的に学びます。

この組み合わせの意義は、試験科目の重なりよりも、企業を支える仕事の広がりにあります。例えば、行政書士として事業に必要な許認可を支援し、社労士として従業員の採用に伴う労働・社会保険の手続きや、就業規則の整備を支援する方向です。

すでに学歴や実務経験などで受験資格を満たす人は、行政書士を経由せず社労士を目指せます。自分の受験資格を先に確認し、必要な学習に時間を使いましょう。

宅建士・行政書士から司法書士へ 権利の理解を登記の専門性につなげる

宅建士や行政書士の学習で身につけた民法の知識は、司法書士を目指す際にも土台になります。行政書士で学ぶ憲法や商法にも共通分野があります。

そのうえで、不動産登記法や商業登記法を本格的に学び、民事訴訟・民事執行・民事保全、供託などの分野にも取り組みます。登記申請に関する記述式対策も必要です。共通科目があっても、追加の学習量は大きくなります。

例えば、民法で相続によって誰が不動産を取得するかを学んだ後、その権利関係を登記にどう反映させるかまで学ぶのが、知識のつながりです。不動産取引や相続に関わる仕事から、登記の専門家として支援する方向へ進みたい人にとって、目的が明確な選択肢になります。

次の資格は 共通科目と新しく担いたい仕事の両方で選ぶ

次に何を学ぶか迷ったら、「すでに理解している分野」「新たに学ぶ分野」「取得後に取り組みたい仕事」の三つを書き出してみましょう。科目の重なりだけでなく、その資格を加える目的まで見えると、学習を続ける理由がはっきりします。

ここで紹介した順番は、必須の取得ルートではありません。目標が決まっていれば、受験条件を確認して直接その資格を目指す方法もあります。また、試験合格だけで業務を始められるとは限らず、登録などの要件を満たし、それぞれの業務範囲を守る必要があります。

一つの資格を学んだ経験を、次に深めたい分野へつなげていく。その積み重ねが、自分の仕事に役立つステップアップになります。

法律資格の難易度とピラミッドは どう見ればよいか

法律資格を比較するとき、難易度を知りたいと思うのは自然なことです。どれくらいの準備が必要なのか、今の自分に挑戦できそうなのかを判断する材料になります。

ただし、資格ごとに試験科目、出題形式、受験条件、受験者の学習経験が異なるため、合格率だけで一直線に並べると判断を誤ることがあります。検定の基礎級と、記述や論文などへの対策も必要な専門資格では、求められる準備も違います。

このページの従来のピラミッド図は、法律に関わる試験を見渡す参考として掲載しています。全員に共通する取得順序や、資格者の価値の上下を示すものではありません。

法律資格の難易度別ピラミッド構造
画像を選ぶと拡大できます

自分にとっての難しさを確かめるには、次の順に見てみましょう。

  1. 公式の試験科目と公開問題、または公式問題集を見る
  2. 学んだことのある分野と、初めて学ぶ分野を分ける
  3. 選択式だけか、記述・論文・口述などへの対策も必要かを確認する
  4. 受験資格を確認し、受験予定時期と週に使える時間を考える
  5. 合格後の登録、講習・修習、費用も含めて計画を立てる

学習時間には個人差があります。「誰でも短期間で合格できる」といった目安だけに頼らず、問題と教材を実際に見てから判断してください。

就職や独立に生かすなら 業務独占と実務の違いを知ろう

法律系の国家資格には、資格者が担う業務を法律で定めているものがあります。こうした業務を目指す人にとって、必要な資格を取ることには明確な意味があります。

ただし、法律に関わる仕事のすべてが、一つの資格の独占業務になっているわけではありません。資格ごとの業務範囲、他の法律による制限、必要な登録などを確認することが大切です。

就職・転職では、資格に加えて、実務経験や応募先が求める能力も見られます。独立では、業務を正確に進める力、依頼者とのやり取り、仕事を得るための準備、開業後の費用なども必要です。資格を取ることと、その資格で仕事を続けることを、両方考えておきましょう。

検定にも別の役割があります。独占業務がないから役に立たないということではなく、今の仕事で使える知識を身につけたり、専門資格の学習へ進む前に基礎を確かめたりする使い方ができます。

会計資格や公務員試験も選択肢になる

法律を学んだ知識は、会計や行政の仕事でも使われます。ただし、公認会計士は監査・会計の専門資格で、公務員試験は職員を採用するための試験です。法律資格と同じ順位表に入れるより、やりたい仕事から比べてみましょう。

企業の財務情報や会計に関心がある人は、公認会計士の仕事内容と試験概要も参考になります。

行政の仕事に関心がある人は、現在の総合職・一般職などの区分から公務員の採用試験を調べてみてください。旧来の国家Ⅰ種・Ⅱ種という名称で受験計画を立てず、現在の試験区分や年齢などの条件を確認しましょう。

資格を決めてから 独学と講座を比べよう

最初の一資格が決まったら、独学・通信講座・通学講座のどれが自分に合うかを考えます。講座を選ぶ前に、受験資格と受験する年度、試験範囲を確認しておきましょう。

独学を考える人は、テキストの説明を自分で理解できるか、学習計画を作れるか、法改正や試験情報を自分で確認できるかを見てください。まず教材の見本や問題を試してみると判断しやすくなります。

講座を使う場合は、説明の分かりやすさに加えて、質問や添削の範囲、模試、教材、受講期限まで比べましょう。表示価格だけで決めず、必要なものを含めた総額を確認することが大切です。返金制度や合格特典などには条件があるため、自分が対象になるかも確認してください。

通信・通学講座を選ぶときは、受講料の総額とあわせて教育訓練給付金の条件も見ておきましょう。資格名やスクール名だけでは対象かどうかは決まりません。受講を申し込む前に、本人の条件と対象講座の調べ方を確認してください。

すでに働いている人は、続けやすさも重要です。平日と休日にどれくらい学べるかを考え、無理なく続けられる方法を選びましょう。

法律系の資格を取るのにスクールを利用するなら、司法試験・予備試験で圧倒的な実績を誇る伊藤塾が断然おすすめです。

法律資格について よくある質問

Q 初心者は必ず簡単な検定から始めるべきですか

必須ではありません。法律に興味があるものの仕事が決まっていない人には、基礎的な検定で学ぶ方法があります。一方、目指す仕事や資格が決まっているなら、その資格の教材から学び始めても構いません。受験条件と学習内容を確かめて選びましょう。

Q 宅建士から行政書士 社労士 司法書士の順に取る必要はありますか

その順番に取る必要はありません。分野も受験条件も異なります。社労士は行政書士試験合格が受験資格の一つですが、別の条件を満たしていれば直接受験できます。司法書士にも、宅建士や行政書士を先に取るという受験条件はありません。

Q 法学部を卒業していなくても目指せますか

この記事で紹介した検定、宅建士、行政書士、司法書士、弁理士には、法学部卒業という受験条件はありません。社労士や司法試験にはそれぞれ受験資格があるため、自分が該当する条件を確認してください。出身学部だけで判断せず、受験資格と必要な学習を分けて考えましょう。

Q 法律資格を複数取ると有利になりますか

扱いたい仕事と組み合わせが合えば、専門性を広げる選択肢になります。ただし、数を増やすだけで就職や収入が保証されるわけではありません。今の資格で何をしたいのか、次の資格でどの業務を補いたいのかを具体的にしてから考えるとよいでしょう。

Q 国家資格と民間の検定は どちらを選べばよいですか

資格が必要な業務を目指すなら、その国家資格が候補になります。今の仕事で法律知識を使いたい、基礎を学びたいという目的なら、検定も選択肢です。区分だけで優劣を決めるより、学ぶ内容と使い道を比べて選びましょう。

Q 働きながらでも学べますか

学習方法は選べますが、必要な準備と確保できる時間は人によって異なります。まず試験科目や公開問題を見て、平日・休日に続けられる計画を立てましょう。通学の時間、講座の受講期限、受験日までの期間も確認すると、生活と両立しやすい方法を選べます。

まず一つ選び 必要に応じて専門性を広げよう

法律のスペシャリストを目指すときも、最初からすべての資格を取る必要はありません。

まだ方向が決まっていない人は、ビジネス実務法務検定3級や法学検定ベーシックの教材を見て、興味のある方から法律に触れてみましょう。仕事が決まっている人は、その分野に必要な資格の試験案内と求人を確認してみてください。

一つを学んだ後に、もっと深めたい分野や、仕事で必要な知識が見えてくることがあります。そのときに、上位級や別の専門資格を考えればよいのです。

「どの資格が一番上か」だけでなく、「自分はどんな仕事や学びにつなげたいか」を出発点にして、最初の一歩を選んでいきましょう。

※試験・登録制度は変更されることがあります。申込みや登録前には、各実施団体の最新案内で条件を確認してください。

試験・資格制度の公式案内

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