本気でイタリア語を学ぶならCILSを受けよう

CILS(イタリア語検定)について

著者文字実のプロフィール写真この記事は、文字実が執筆しました。

CILS(チルス)はCertificazione di Italiano come Lingua Stranieraの略称で、イタリア外務省に認定されている外国語としてのイタリア語能力を証明する検定試験です。

シエナ外国人大学(Foreigners University of Siena)が実施している検定試験で公的な資格としての色合いを有しています。

イタリア語の略称で分かりにくいのですが、英語ではCertification of Italian as a Foreign Languageとなります。英語で見るとすぐにどんな検定試験か理解できますよね。

イタリア語に関する検定としては、このCILSとは別に実用イタリア語検定(伊検)があります。

どちらもイタリア語を学ぶのには良い検定試験なのですが、どちらかというとCILSの方が上級者向けという位置付けになります。

実用イタリア語検定は基本的に日本人のみを対象にしたイタリア語の検定試験であるのに対して、CILSはイタリア語を学ぶ外国人を対象に全世界で実施されており、語弊があるかもしれませんが試験の内容がより洗練されています。

そのため資格としての価値もCILSの方が一般的に高いということができます。特にイタリアに留学する場合、イタリアで働く場合、ビザの申請をする場合などはCILSしか役に立ちません。実用イタリア語検定は、日本国内でしか通用しない検定ということができます。

このような検定試験の棲み分けは、他の言語でも同じようにあり、例えば中国語検定HSKTOEICTOEFLです。中国語検定とTOEICはほとんど日本国内でしか役立ちません。

イタリア語を学ぶ最初の段階では実用イタリア語検定の方が受験しやすいのですが、本気でイタリア語を学ぶのであればこのCILSを受験する必要があります。

CILSは6つのレベルに分けて実施されているのですが、一定のレベル(DUE)以上の合格者は、イタリアの大学へ入学する際に必要なイタリア語試験を免除されます

イタリアに留学したい人やイタリアでビザを取って働きたい人はこのCILSがおすすめです。そうではなくて、イタリア旅行や趣味でイタリア語の勉強をしたい人には実用イタリア語検定がおすすめです。

CILS(イタリア語検定)の概要

受験資格

学歴、年齢などによる制限はありません。誰でも受験することができます。

レベル

CILSは6つのレベルに分かれています。各レベルの目安は以下の通りです。

A1(基礎)
自己紹介や他者の紹介ができ、個人的な話題(どこに住んでいるか、何を持っているか等)について質問し回答できる。問題に使われる語彙は約850語で、うち600語は基本語彙。イタリア語の授業を約50–100時間受講したレベル。
A2(初級)
身近な話題(例えば家族、買い物、仲間、場所、仕事等)に関する言い回しや表現を理解し使うことができる。問題に使われる語彙は約1200語で、うち700語は基本語彙。イタリア語の授業を約100–150時間受講したレベル。
UNO(B1)
日常生活のなかで基本的なコミュニケーションを取ることができ、イタリア旅行が問題なくできる。イタリア語の授業を約150時間受講したレベル。試験時間は3時間。
DUE(B2)
日常生活で十分にイタリア語で会話することができるレベル。また勉強や仕事において的確に意志の伝達ができる。イタリア語の授業を約250–300時間受講したレベル。試験時間は4時間。(このレベルの合格者はイタリアの大学入学時のイタリア語試験を免除されます。)
TRE(C1)
日常生活のみならず公の場面や仕事でも状況に適したイタリア語を使いながら意志の疎通ができ、イタリアの機関や企業等と口頭および書面で交渉することができる。イタリア語の授業を約400–500時間受講したレベル。試験時間は5時間。
QUATRO(C2)
CILSの最高レベルでネイティブと同じレベルと見なされる。公式、非公式のあらゆる状況だけでなく、仕事上でもコミュニケーションがとれる。イタリア語の授業を約750–1000時間受講したレベル。試験時間は5時間30分。

合格基準

  • A1/A2レベル:7点以上で合格
  • B1レベル以上:11点以上で合格

申込み期間

例年、3月下旬〜4月下旬と9月下旬〜10月下旬くらいに受付されています。

試験日

例年、6月と12月の年2回実施されています。

試験地

東京、京都の2ヶ所で実施されています。

受験料

各レベル以下の受験手数料が必要です。

A1
15,000円、3,500円
A2
15,000円、3,500円
UNO(B1)
20,000円、4,500円
DUE(B2)
23,000円、5,100円
TRE(C1)
24,000円、5,300円
QUATRO(C2)
27,000円、5,900円

※2つ目の金額は1科目別料金です。

問合せ先

イタリア文化会館
〒102-0074
東京都千代田区九段南2-1-30
TEL:03-3262-4500
FAX:03-3262-4510
E-Mail:corsi.iictokyo@esteri.it

その他

実用イタリア語検定とCILSのレベルの比較はだいたい以下のようになります。

CILS 実用イタリア語検定
A1 5級
A2 4〜5級
UNO(B1) 3〜4級
DUE(B2) 2〜3級
TRE(C1) 1〜2級
QUATRO(C2) 1級

参照:Foreigners University of Siena(シエナ外国人大学)

CILS(イタリア語検定)についてのコメント

CILS(イタリア語検定)について詳しい人や何か知っている人からのコメント(体験談等)を募集しています。

CILS(イタリア語検定)に興味がある人に役立ちますので、知っていることがあれば何でも大丈夫ですので、ぜひコメントをお願い致します。

1件

HN(ハンドルネーム):のりピー | 2023-05-08 13:39:01

イタリアに留学していた頃に留学生仲間の間でイタリア語検定CILSという名前が度々話題にあがっていました。これはシエナ大学が主催している検定試験でイタリア国内ではかなり知名度の高いものだというので受験を検討するようになりました。当時イタリアの国立音楽院への受験やイタリア政府奨学金への応募などを控えていたため、CILSを受けることで受験に有利に働くと思い、勉強を始めました。
当時通っていた語学学校の先生方複数名にアドバイスをお願いしたところ、みなさん最上級のC2を受けることを勧めてくださいました。そのころすでにイタリアに移り住んで半年経っていて、文法のレッスンは一通り終わっていましたし、日常会話には困らないレベルに達していました。それでも最上級の試験はかなり難易度が高いと聞いていたので不安は大きく、オンラインで配信されている過去の出題例をチェックしてみることにしました。数年分の問題が無料配信されていたのでいくつかピックアップして挑戦してみたところ、問題なくクリアすることが出来ました。しかし配信されていたのは筆記問題だけだったので、ヒアリングが不安要素として残りました。
実際の試験はやはりヒアリングが鬼門でしたが、ほぼ満点だった筆記に比べると点数は落ちましたが合格点を貰うことが出来ました。シエナ大学から検定証明書の送付を希望する場合は10ユーロ追加で支払えば配送してもらえるというので支払いましたが、結局証明書が届くことはありませんでした。オンラインで合否を確認したときの画面を保存していたのでそれを証明書代わりに使用していますが、イタリアの事務関係は本当に管理がずさんなので私の他にも証明書を待ち続けている人たちがいました。
それでも合格は合格なので、履歴書の資格欄にに堂々とCILS・C2と書くことが出来ます。
留学歴が長くても語学が出来ない人は多いので、検定を受けることで自分の努力と語学力を証明することが出来てよかったと思っています。

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