キャリアコンサルティングを仕事にするなら取っておきたい資格

キャリアコンサルタントについて

著者文字実のプロフィール写真この記事は、文字実が執筆しました。

キャリアコンサルタントは、2016年(平成28年)4月から実施されているキャリアコンサルティングの専門家になるための国家資格です。

キャリアコンサルタントは、職業能力開発促進法の30条の3によって名称独占資格とされています。

キャリアコンサルティングの仕事自体は資格がなくても誰でもすることができるのですが、厚生労働省に置かれているキャリアコンサルタント名簿に登録されている者以外は「キャリアコンサルタント」という名称を用いて仕事をすることが禁止されています。

キャリアコンサルティングというのは、就職を希望する人に対して、その人の有する能力や適性(まとめてキャリアと言う)を表面的ではなく心理面まで奥深く探りながら様々な支援を行うことです。

以前はキャリアコンサルティングの仕事をする人は「キャリアカウンセラー」「キャリコン」「キャリアコンサルタント」など、それぞれが自由に名称を使っていたのですが、2016年にこの「キャリアコンサルタント」が名称独占の国家資格とされた事で、キャリアコンサルタントを名乗る場合には、必ず資格の取得と登録が必要となりました。

キャリアコンサルティングの専門家になるための講習や民間資格はたくさんあるのですが、このキャリアコンサルタントと言う国家資格が制定された以上は、キャリアコンサルティングの仕事をしていこうと考えている人はこの資格を取得して登録しておくことが望ましいと言えます。

近年、キャリアコンサルタントの活躍の場は広がっています。民間企業、教育機関、行政組織等から需要があり、また、独立開業(フリーランス)として働くこともできます。具体的な仕事としては以下のようなものがあります。

  1. 企業の人事部等での研修・キャリアプランニング業務や退職後の人生設計相談業務や社内カウンセリング業務。
  2. 人材派遣(人材紹介会社)や再就職支援会社で人材コーディネーターとして勤務。
  3. 大学・高校等の教育機関における学内就職指導員やキャリアセンター職員として勤務。
  4. 地域の自治体や公的機関が主催する求職支援活動。キャリア開発支援等のセミナー講師など。
  5. 社会保険労務士中小企業診断士FP(ファイナンシャルプランナー)など関連資格とのダブルライセンスによる業務拡大で独立開業する。

このように活躍のフィールドが広いので、活用方法によっては非常に価値のある資格です。興味のある人はぜひ取得しておきましょう。

ちなみに、より上級の位置付けとなる国家資格としてキャリアコンサルティング技能検定があります。

キャリアコンサルタントの概要

受験資格

以下のいずれかに該当する者しかキャリアコンサルタント試験を受験することができません。(職業能力開発促進法30条の4第3項各号)

  1. キャリアコンサルティングに必要な知識及び技能に関する講習で厚生労働省令で定めるものの課程を修了した者
  2. 厚生労働省令で定める実務の経験を有する者
  3. 前二号に掲げる者と同等以上の能力を有すると認められる者として厚生労働省令で定めるもの

なお、厚生労働省令で定める資格を有するものは、学科試験または実技試験の一部が免除されます。(職業能力開発促進法30条の4第3項各号)

試験内容

筆記試験と実技試験(論述および面接)で実施されています。

【筆記】

四肢択一のマークシート方式で実施。100分で50問出題。

【論述】

逐語記録を読んで設問に解答する。50分で1〜2問出題。

【面接試験】

受験者がキャリアコンサルタント役となり実際にキャリアコンサルティングを行うロールプレイと、自らのキャリアコンサルティングについて試験官からの質問に答える口頭試問によって実施されます。

ロールプレイ15分、口頭試問5分。

試験科目

以下のような範囲から出題されます。

  • 職業能力開発促進法その他関係法令に関する科目
  • キャリアコンサルティングの理論に関する科目
  • キャリアコンサルティングの実務に関する科目
  • キャリアコンサルティングの社会的意義に関する科目
  • キャリアコンサルタントの倫理と行動に関する科目

合格基準

それぞれ以下の合格基準が定められています。

【学科試験】

100点満点中の70点以上で合格となりますあ。

【論述】

150点満点中の90点以上で合格となりますあ。

ただし論述試験の満点の40%以上、かつ面接試験の評価区分の中の「主訴・問題の把握」「具体的展開」「傾聴」のいずれにおいても満点の40%以上の得点が必要となります。

申込み期間

例年、12〜1月、3〜4月、6〜7月、9〜10月くらいに受付されています。

試験日

それぞれ以下の期日に実施されています。

【学科・実技論述試験】

例年、2月、5月、8月、11月くらいに年4回実施されています。

【実技面接試験】

例年、3月、6月、9月、12月くらいに年4回実施されています。

試験地

以下の試験地で実施されています。

【学科試験】

札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、広島、愛媛、福岡、沖縄(愛媛と沖縄は実施されない場合があります。)

【実技試験】

札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、広島、愛媛、福岡、沖縄(愛媛と沖縄は実施されない場合があります。)

合格発表日

それぞれ以下の期日に合格発表があります。

例年、4月、7月、10月、1月くらい。

免除項目

新しい国家資格のため経過措置等が定められており(2016年4月から2021年3月31日までの5年間)、標準レベルのキャリア・コンサルタントの養成講座を修了していた場合に受験資格が与えられたり、キャリアコンサルティング技能検定に合格している者に試験が免除されたり等の制度があります。

受験料

それぞれ以下の受験料が必要となります。

【学科試験】

8,900円(税込)

【論述】

29,900円(税込)

問合せ先

日本キャリア開発協会(キャリアコンサルタント試験 受験サポートセンター)
TEL:03-5209-0553
FAX:03-5209-0552
Mail:jcda-careerex@cbt-s.com
10:00~17:00(土日祝を除く)

参照:日本キャリア開発協会(国家資格キャリアコンサルタント試験)

キャリアコンサルタントについてのコメント

キャリアコンサルタントについて詳しい人や何か知っている人からのコメント(体験談等)を募集しています。

キャリアコンサルタントに興味がある人に役立ちますので、知っていることがあれば何でも大丈夫ですので、ぜひコメントをお願い致します。

1件

HN(ハンドルネーム):nao | 2023-05-08 13:37:03

2018年に公認心理師、キャリアコンサルタントを受験、合格した者です。
キャリアコンサルタント同様、最近できた国家資格である公認心理師とキャリアコンサルタントを比較した感想を記させて頂きます。
長文になりますが、宜しくお願い致します。
※メリット、デメリットの主語は全て「キャリアコンサルタント」です。

【メリット】
1)更新に際しての講習が整っている
2)勉強熱心な方々が受講している。「良き仲間」との出会いは多くあり、感動もある
3)実技試験があり、体験的理解は比較的しやすい

【デメリット】
1)養成講座に30万円程度(4割は還付されるが受験料等併せると20万円程度かかる)、国家資格の登録費用、jcdaの登録費用等々、基本的に非常にお金がかかる
2)jcdaが母体の試験とキャリア協議会が母体の試験で試験内容がかなり違う。
具体的にはjcdaは傾聴に重きを置いており、キャリア協議会はアドバイス方策に重きを置いている。本来なら、それを理解した上で養成講座も選んだ方が良いが、それを教えてくれる所はなく、「迷子」になる受験生をしばしば見かけた
3)1に記したように資格取得までにも高額が必要だが、取得後も年会費や更新料などが必要。しかし、キャリアコンサルタントの資格を利用してお金を稼いでいる人は非常に少ない。「この資格をどう利用したら良いんだろう?」と言っている人たちの声をよく耳にする。まだ発展途上の資格といった印象

最後に、私見です。
キャリコンサルタントは自己研鑽や仲間づくりの為に取得を目指すならば意味があると思います。ただし、この資格を活かして何かができるという可能性は現状ではまだ低いのと、とにかくお金はかかります。

最後までご拝読頂き、ありがとうございました。

人手不足のWEB業界に経験無しからチャレンジ

WEB業界へ転職して年収を上げる

自分の将来が不安で迷っている人。

何か資格を取ろうと思っているけど、どれを取ればいいのか分からない人。

人手不足でまだまだ需要のあるWEB業界に経験無しでもチャレンジできます。

ページの上に戻る