メンタルヘルス・マネジメント検定について
この記事は、文字実が執筆しました。
次回の試験日は
メンタルヘルスケア・マネジメント検定は、労働者のうつ病などの心の不調を未然に防止したり、生産性が高く活力ある職場作りを実現するために、メンタルヘルスケアに関する知識や対処方法を学ぶ事ができる検定試験です。
大阪商工会議所が主催し、日本商工会議所が後援している公的資格の1つです。
現代社会では、職場でのストレスや不安が増大しており、心の病を患い長期の休職や離職をする人が増えています。
サービス残業やパワハラなどが慣習化しているブラック企業もたくさん存在しており、最悪の場合には自殺や過労死に至るという事もあります。
最近も電通での過労死事件が社会問題になりました。このようなことは絶対に許されるべきではありません。
企業にとっても、ストレスなどの精神的な不調による労働者の生産性低下、モチベーション低下、長期休職、離職などは大きな損失です。
社会全体にとって、働く全ての人の心の健康管理というのは重要であり、メンタルヘルスケアに関する知識はできる限り多くの人が学ぶべきものでしょう。
特に企業の人事や労務管理に関わる人、マネージャーや管理職の立場にある人は絶対に知っておかなければならない知識です。
また、自分自身で自分の精神状態を正しく認識して理解する事で、自らの心の病を事前に防止する事もできます。
人事や労務の仕事に興味がある人、社会保険労務士などのコンサルタント系の資格とのダブルライセンス、心理系の仕事や資格に興味のある人などには特におすすめの検定試験です。
現代社会においてストレスは全ての人に少なからず影響を与えています。
うつ病や躁うつ病など「心(精神)」の問題というのはいつ誰に起きてもおかしくない事なので、どんな人でも学んで損は無い内容です。
年間2万人を超える受験の申し込みがあり、このジャンルではとても人気のある検定試験です。
メンタルヘルス・マネジメント検定の概要
受験資格
受験制限は特にありません。誰でも受験することができます。
レベル
メンタルヘルス・マネジメント検定試験は、職位・職種別(対象別)に3つのコースが設定されています。
各レベルの対象、目的、到達目標は以下の通りです。
【Ⅰ種(マスターコース)】
対象:人事労務管理スタッフ、経営幹部
目的:社内のメンタルヘルス対策の推進
到達目標:自社の人事戦略・方針を踏まえたうえで、メンタルヘルスケア計画、産業保健スタッフや他の専門機関との連携、従業員への教育・研修等に関する企画・立案・実施ができる。
【Ⅱ種(ラインケアコース)】
対象:管理監督者(管理職)
目的:部門内、上司としての部下のメンタルヘルス対策の推進
到達目標:部下が不調に陥らないよう普段から配慮するとともに、部下に不調が見受けられた場合には安全配慮義務に則った対応を行うことができる。
【Ⅲ種(セルフケアコース)】
対象:一般社員
目的:組織における従業員自らのメンタルヘルス対策の推進
到達目標:自らのストレスの状況・状態を把握することにより、不調に早期に気づき、自らケアを行い、必要であれば助けを求めることができる。
試験内容
Ⅰ種(マスターコース)は、多肢選択式の問題(2時間)と論述式の問題(1時間)が出題されます。
Ⅱ種(ラインケアコース)とⅢ種(セルフケアコース)は多肢選択式の問題(2時間)のみ出題されます。
試験科目
各レベルそれぞれ以下の範囲から出題されます。
【Ⅰ種(マスターコース)】
- 企業経営におけるメンタルヘルス対策の意義と重要性
- メンタルヘルスケアの活動領域と人事労務部門の役割
- ストレスおよびメンタルヘルスに関する基礎知識
- 人事労務管理スタッフに求められる能力
- メンタルヘルスケアに関する方針と計画
- 産業保健スタッフ等の活用による心の健康管理の推進
- 相談体制の確立
- 教育研修
- 職場環境等の改善
【Ⅱ種(ラインケアコース)】
- メンタルヘルスケアの意義と管理監督者の役割
- ストレスおよびメンタルヘルスに関する基礎知識
- 職場環境等の評価および改善の方法
- 個々の労働者への配慮
- 労働者からの相談への対応 ※話の聴き方、情報提供および助言の方法等
- 社内外資源との連携
- 心の健康問題をもつ復職者への支援の方法
【Ⅲ種(セルフケアコース)】
- メンタルヘルスケアの意義
- ストレスおよびメンタルヘルスに関する基礎知識
- セルフケアの重要性
- ストレスへの気づき方
- ストレスへの対処、軽減の方法
合格基準
各レベルそれぞれ以下の点数以上で合格となります。
【Ⅰ種(マスターコース)】
選択問題が100点、論述問題が50点の配点で、合計が105点以上で合格。
ただし、論述問題の得点が25点以上必要。
【Ⅱ種(ラインケアコース)】
100点の配点のうち70点以上で合格。
【Ⅲ種(セルフケアコース)】
100点の配点のうち70点以上で合格。
申込み期間
年2回実施されており、それぞれ以下の期間に受付されています。
3月試験:1月上旬から2月上旬くらい
11月試験:9月上旬から10月上旬くらい
また、随時団体試験も実施されています。
試験日
年2回実施されています。それぞれ以下の期日に実施されています。
3月試験:3月中旬の日曜日
11月試験:11月上旬の日曜日
3月試験はⅠ種(マスターコース)は実施されません。また、随時団体試験が実施されています。
試験地
例年、以下の試験ちで実施されています。
札幌、仙台、新潟、埼玉、千葉、東京、横浜、浜松、名古屋、京都、大阪、神戸、広島、高松、福岡
合格発表日
受験の1ヶ月後くらいに郵送で発表されます。
受験料
各レベルそれぞれ以下の受験料が必要です。
- Ⅰ種(マスターコース):10,800円(税込)
- II種(ラインケアコース):6,480円(税込)
- III種(セルフケアコース):4,320円(税込)
インターネット申し込みの場合、受験料とは別に378円(税込)のシステム手数料が必要です。
問合せ先
大阪商工会議所(メンタルヘルス・マネジメント検定試験センター)
〒540-0029
大阪府大阪市中央区本町橋2番8号
TEL:06-6944-6141
メンタルヘルス・マネジメント検定についてのコメント
メンタルヘルス・マネジメント検定について詳しい人や何か知っている人からのコメント(体験談等)を募集しています。
メンタルヘルス・マネジメント検定に興味がある人に役立ちますので、知っていることがあれば何でも大丈夫ですので、ぜひコメントをお願い致します。
1件
HN(ハンドルネーム):YK9 | 2023-05-09 03:27:53
メンタルヘルスマネジメント検定という資格を取りました。
働く人の心の健康をマネジメントするにはどうしたら良いか、という問題を取り扱う内容になっています。
私はもともと心理学を大学で専攻しており、企業で働く人を支える産業カウンセラーになりたかったため、この資格を取得しました。
学習方法は独学で、問題集付きの公式テキストを1冊購入し、3ヶ月ほど勉強しました。
総費用はテキスト代2,000円と、試験の受講代4,000円程度です。
勉強総時間は1日2時間×週5日×3ヶ月で120時間程度です。
勉強方法としては、通勤時間やアルバイトの休憩時間など、『出来る時間が限られている環境』の時にやるように心がけました。
自分で時間を設けて取り組もうとすると、集中力が切れてしまいます。
『あともう少しで駅についてしまう』『あともう少しで休憩が終わってしまう』という状況の中だと、集中力が高まり、一気に頭に詰め込むことができました。
また、この資格を持っている事によって、私は新卒で企業の人事部に移動しました。
会社内でその人が抱える悩みなどをカウンセリングして寄り添いながら、人を適切な部署や業務に移動する仕事です。
今のお仕事をする上で、この資格は本当に役に立っています。