看護師/准看護師について
この記事は、文字実が執筆しました。
看護師(nurse)は、保健師助産師看護師法によって定められている国家資格で、同法5条によると、「厚生労働大臣の免許を受けて、傷病者若しくはじよく婦に対する療養上の世話又は診療の補助を行うことを業とする者をいう」と定義されています。
じよく婦(褥婦:じょくふ)とは、子を産んで産褥(さんじょく)にある婦人のことです。産褥(さんじょく)とは、出産およびその後の数週間(一般的に6週間から8週間)をいいます。
簡単に言うと、医療、保健、福祉の現場において、医師などが患者を診療する際の補助を行なったり、傷病者や障害を持つ人、妊婦などの療養上の世話を行なったり、病気の予防や健康の維持増進を目的とした教育を行うことを職業とする医療従事者です。
医療の高度化や専門分化に伴い需要は多いが、勤務条件の厳しさもあり、慢性的な看護師不足が続いているのが現状ですのでしんどい仕事であることは確かでしょう。
しかし、患者の精神的支柱となる存在で、働きがいは抜群ですし、給料の面でも一般的な事務の仕事などに比べて高いのも特徴です。
また、医療の世界だけではなく福祉や介護の現場でも活躍する事ができる活躍できる場が広い資格です。
看護師は注射など一部医療行為も行う事ができるので、福祉や介護の現場で重宝され、医療・福祉・介護の仕事をする上で最も役立つ資格の1つです。
日本はこれから超高齢化社会を迎えます。医療、介護、福祉のどれもが増々必要とされます。まだまだ人手不足ということもあって、看護師の資格を取得する事は大変価値のある事です。
かつては、女性を看護婦(かんごふ)、男性を看護士(かんごし)と呼んで区別していたこともあったが、男女雇用機会均等法からの流れの職業における男女平等という考え方があり、2001年に「保健婦助産婦看護婦法」が「保健師助産師看護師法」に改定されたことによって、2002年3月から男女ともに「看護師」という名称に統一されました。
なお、より専門的な能力を有し、所定の審査を受けた看護師については、日本看護協会が「専門看護師」「認定看護師」として資格認定しています。
准看護師について
免許区分としては、看護師と准看護師があり、ともに業務独占(31条)、名称独占(42条の3の3号)の国家資格となっています。
准看護師は、同法6条によると、「都道府県知事の免許を受けて、医師、歯科医師又は看護師の指示を受けて、前条に規定することを行うことを業とする者をいう」と定義されています。
ポイントは、「医師、歯科医師、又は看護師の指示を受けて」というところです。
准看護師は正看護師と異なり、自らの判断で看護行為をすることができません。
看護師のことを准看護師と区別する意味で「正看護師」と呼ぶことがあります。
看護師が行える医療行為
看護師は、皮下注射、皮内注射、筋肉注射、静脈注射(点滴を含む)及び採血は、医師の指示を受けた上で行なってもよいとされています。
静脈注射については、2002年(平成14年) に厚生労働省医政局長通知によって「看護師等による静脈注射の実施について、診療の補助行為の範疇である」との行政解釈変更が行われました。
看護師の労働時間と給料(年収)
厚生労働省が発表した平成27年度の賃金構造基本統計調査によると、看護師の平均年収は約478万円、准看護師の平均年収は約396万円となっています。
男性と女性を比較した場合、わずかですが、男性の方が年収が高くなっています。
残業時間は、月平均で約23時間となっており、夜勤は月平均約8回となっています。
看護師/准看護師の概要
受験資格
看護師になるためには、看護師の国家試験に合格して、厚生労働大臣の免許を受ける必要があります(7条3項)。
看護師試験を受験するには以下のいずれかの受験資格が必要です。
- 文部科学省令・厚生労働省令で定める基準に適合するものとして、文部科学大臣の指定した学校教育法(昭和22年法律第26号)に基づく大学(短期大学を除く。以下「指定大学」という。)において看護師になるのに必要な学科を修めて卒業した者(卒業見込みの段階で受験資格が得られる)。いわゆる4年生大学で看護学部、医学部保険学科などを卒業した者。
- 文部科学省令・厚生労働省令で定める基準に適合するものとして、文部科学大臣の指定した学校(以下「指定学校」という。)において3年以上看護師になるのに必要な学科を修めた者(卒業見込みの段階で受験資格が得られる)。いわゆる3年制の短期大学で看護学科などを卒業した者。
- 文部科学省令・厚生労働省令で定める基準に適合するものとして、都道府県知事の指定した看護師養成所(以下「指定養成所」という。)を卒業した者(卒業見込みの段階で受験資格が得られる)。いわゆる3年制の看護専門学校などを卒業した者。
- 免許を得た後3年以上業務に従事している准看護師又は学校教育法に基づく高等学校若しくは中等教育学校を卒業している准看護師で、指定大学、指定学校又は指定養成所において2年以上修業したもの(卒業見込みの段階で受験資格が得られる)
- 保健師助産師看護師法第5条に規定する業務に関する外国の学校若しくは養成所を卒業し、又は外国において看護師免許に相当する免許を受けた者で、厚生労働大臣が1から3までに掲げる者と同等以上の知識及び技能を有すると認めたもの。※1
- 経済上の連携に関する日本国とインドネシア共和国との間の協定に基づき、日本語の語学研修及び看護導入研修を受け、かつ、研修の修了後、病院において看護師の監督の下で国家資格取得を目的として就労している外国人看護師候補者で、厚生労働大臣が1から3までに掲げる者と同等以上の知識及び技能を有すると認めたもの(厚生労働大臣が1から3までに掲げる者と同等以上の知識及び技能を有すると認める見込みの者を含む。)
- 経済上の連携に関する日本国とフィリピン共和国との間の協定に基づき、日本語の語学研修及び看護導入研修を受け、かつ、研修の修了後、病院において看護師の監督の下で国家資格取得を目的として就労している外国人看護師候補者で、厚生労働大臣が1から3までに掲げる者と同等以上の知識及び技能を有すると認めたもの(厚生労働大臣が1から3までに掲げる者と同等以上の知識及び技能を有すると認める見込みの者を含む。)
- 経済上の連携に関する日本国とベトナム社会主義共和国との間の協定及び看護師及び介護福祉士の入国及び一時的な滞在に関する日本国政府とベトナム社会主義共和国政府との間の交換公文に基づき、日本語の語学研修及び看護導入研修を受け、かつ、研修の修了後、病院において看護師の監督の下で国家資格取得を目的として就労している外国人看護師候補者で、厚生労働大臣が1から3までに掲げる者と同等以上の知識及び技能を有すると認めたもの(厚生労働大臣が1から3までに掲げる者と同等以上の知識及び技能を有すると認める見込みの者を含む。)
- 過去に6、7又は8により受験資格を認められた者
- 保健婦助産婦看護婦法の一部を改正する法律(昭和26年法律第147号)附則第8項に規定する者
※1 外国の看護師学校養成所を卒業し、外国において看護師免許を取得した者が、日本で看護師国家試験を受験するためには、保健師助産師看護師法第21条第5号に基づき、厚生労働大臣の認定が必要です。
認定基準は、以下の通りです。
(1)外国看護師学校養成所の修業年限 | 詳細はア)~ウ)の認定基準による。 | |
|
ア)外国看護師学校養成所の入学資格 | 高等学校卒業以上(修業年限12年以上)、または同等と認められる者 |
イ)外国看護師学校養成所の修業年限 | 3年以上 | |
ウ)外国看護師学校養成所卒業までの修業年限 | 15年以上、または同等と認められる者 | |
(2)教育科目の履修時間 | 履修時間の合計が97単位以上(3000時間以上)で、保健師助産師看護師学校養成所指定規則(昭和26年文部省・厚生省令第1号)等に規定する基礎分野、専門基礎分野、専門分野、統合分野の単位数、時間数を概ね満たすこと。 | |
(3)教育環境 | 日本の看護師学校養成所と同等以上と認められること | |
(4)当該国の判断 | 当該国、または州政府等によって正式に認められた外国看護師学校養成所であること | |
(5)外国看護師学校養成所卒業後、当該国の看護師免許取得の有無 | 原則として取得していること | |
(6)当該国の看護師免許を取得する場合の国家試験制度 | 国家試験、またはこれと同等の制度が確立されていること | |
(7)日本語能力 | 日本の中学校及び高等学校を卒業していない者については、日本語能力試験N1(平成21年12月までの認定区分である日本語能力試験1級を含む。以下同じ)の認定を受けていること |
試験内容
5肢択一または4肢択一のマークシート方式で実施されています。
看護師国試の問題は、大きく分けて「必修問題」「一般問題」「状況設定問題」という3種類があります。
【看護師試験の問題の種類】
種類 | 必修問題 | 一般問題 | 状況設定問題 |
内容 | 基礎的な問題で、合格には80%以上の正答率が必須となります。 | 出題科目として定められた11科目から、一問一答式で出題されます。知識を問う問題に加え、短文の事例問題も問われます。 | 出題科目として定められた7科目にから、看護の現場で直面しうる状況を設定し、それに対する理解力・判断力が問われます。 |
配点 | 1問1点 | 1問1点 | 1問2点 |
出題数 | 50問 | 130問 | 60問 1問または2連問の出題可能性もあります。 |
【看護師試験の試験時間と各分野からの出題数】
方式 | 出題数 | 時間 | |
---|---|---|---|
午前 | 必修問題 (四肢択一・五肢択一) |
25問 | 2時間40分 |
一般問題 (四肢択一・五肢択一・五肢択二) |
65問 | ||
状況設定問題 (四肢択一・五肢択一・五肢択二) |
30問 | ||
午後 | 必修問題 (四肢択一・五肢択一) |
25問 | 2時間40分 |
一般問題 (四肢択一・五肢択一・五肢択二) |
65問 | ||
状況設定問題 (四肢択一・五肢択一・五肢択二) |
30問 |
試験科目
試験の出題科目は以下の通りです。
- 人体の構造と機能
- 疾病の成り立ちと回復の促進
- 健康支援と社会保障制度
- 基礎看護学
- 成人看護学
- 老年看護学
- 小児看護学
- 母性看護学
- 精神看護学
- 在宅看護論及び看護の統合と実践
申込み期間
例年以下の期間に受付されています。
11月下旬〜12月中旬。
【申込方法】
受験願書に必要事項を記入のうえ、写真(出願前6カ月以内に撮影した縦6cm×横4cmのもの)、返信用封筒、受験資格を証明する書類など受験に必要な書類を取りそろえ、試験地を管轄する地方厚生局または地方厚生支局へ提出する。
※写真の提出にあたっては、卒業もしくは在籍している指定学校、指定養成所、または地方厚生局・地方厚生支局において、受験者本人と相違ない旨の確認を受けること。
試験日
例年2月の第3週の日曜日に実施されています。
試験地
以下の試験地で実施されています。
北海道、青森県、宮城県、東京都、愛知県、石川県、大阪府、広島県、香川県、福岡県及び沖縄県
合格発表日
例年3月下旬に合格発表があります。
受験料
5,400円(収入印紙)
問合せ先
看護師国家試験運営本部事務所
〒130-0022
東京都墨田区江東橋2丁目2番3号
倉持ビルディング第2ビル6階
TEL:03-6659-9687
参照:厚生労働省
看護師/准看護師についてのコメント
看護師/准看護師について詳しい人や何か知っている人からのコメント(体験談等)を募集しています。
看護師/准看護師に興味がある人に役立ちますので、知っていることがあれば何でも大丈夫ですので、ぜひコメントをお願い致します。
6件
HN(ハンドルネーム):さなえ丸 | 2023-05-09 00:00:19
准看護師は国家資格ではないのでは??
国家試験ではなく都道府県試験ですよね...
HN(ハンドルネーム):管理人 | 2023-05-09 00:00:32
さなえ丸様
管理人です。コメントありがとうございます。国家資格の定義について当サイトでは何らかの法律に基づいて実施・認定されているものとさせていただいております。
准看護師試験については、保健師助産師看護師法25条という法律とそれに基づく委任立法である各都道府県の条例に基づいて実施されておりますので、国家資格ということにさせていただいております。
何卒ご理解いただきますようお願い致します。
コメントをいただき感謝申し上げます。ありがとうございます。今後とも資格キングをよろしくお願い致します。
HN(ハンドルネーム):AKB | 2023-05-09 00:00:48
私は高校3年生の時に進路に迷っていました。特になりたい職業、やりたい事もなくぼんやり人生を過ごしていた中で母親に看護師になったら?と言われました。
特にしたい事もなかったし看護師は今後就職に困る事もないだろうという思いから看護学校への入学を決めました。
私が行った看護学校は2年制で2年間通って単位を取れば資格試験を受ける資格が取れます。2年間みっちり看護師になる為の勉強をして病院実習にも行き辛いことの方が圧倒的に多かったですがなんとか看護師の免許を取得する事ができました。
勉強方法は過去問をとことんやり込む事です。とにかく解いては答え合わせをして間違ったところに印をしてまた解く。という事を繰り返していました。友達と一緒にした方がいいって方もいらっしゃるかもしれませんが、私は1人でもくもくと自分のペースで進めていく方が性に合っていたのでほぼ1人でやっていました。
資格をとってからはやはり就職に困る事は全くなく、面接に行けば受かる事がほとんどです。お給料の面や勤務体制の面などみてどこで働こうか自分から選ぶ立場にあります。こうした事は、人手不足などからきていて今後もきっと人手不足によって働き口に困る事はないんだろうなとこの資格を取ったことをとてもよかったなと思います。もちろん安定だけではなく、仕事をしていく中で患者さんやその家族に感謝される事の方が多いのでそこがやる気や達成感など仕事への活力になっていてもっといろんな知識や技術を身につけてよりよい看護を提供していきたいと思えています。今となっては、看護師は私にとって天職だ!と思えるほど楽しく仕事をしていますが元々は自分が看護師になるなんて微塵も思っていなかったので高校3年生の大事な時期に看護師になったら?と勧めてくれた母親に感謝の気持ちしかないです。仕事へのやりがいやお給料面、それに伴って私の生活も看護師の資格があっての事だと思うので本当にこの資格を頑張って取ってよかったなと思いますし、看護学生の時にあれだけ頑張ってこれた事は私にとって自信にも繋がっているので看護師資格と同じくらい大切なものを取得できたなと嬉しくも誇らしくもあります。
HN(ハンドルネーム):名無し | 2023-05-09 00:01:03
2021に受ける予定です
HN(ハンドルネーム):西 | 2023-05-09 00:01:15
私は看護師をめざしていました。あることがあり、その夢をあきらめてアルバイトや派遣で生計を立てていました。しかし、無資格である私には簡単な仕事しかできませんでした。こんな生活を続けたらいけないと思うようになりました。もう一度准看護師から目指そうと思い立ち、准看護師の専門学校を翌年受験しようと考えました。そのためには学校に通ってもいいという職場に就職しないといけないと思いハローワークに行き、就職先を探して就職しました。
翌年の1月に専門学校への受験をして合格したので4月から入学することができました。働きながら学校へと通っていました。就職先として選んだところからは首になってしまったのでアルバイトをしながら学校に通っていました。
週6日、4日は午後からで1日は1日中で土曜は午前だけでした。まずは戴帽式を迎えるために学科の試験を規定どおりにこなさないといけないといけませんでした。クリアできないと戴帽式を迎えられなくなり、留年してしまいます。戴帽式を迎えられても実習を受けるためにクリアしないといけない試験があり、再試験の数が決まっていました。その数をクリアしないと実習にも行けず、留年してしまいます。
翌年の1月から週5日の実習が始まります。基礎から始まり、精神看護学実習、母性看護学実習、成人看護学実習と乗り越えて実習が終わると卒業試験が待っています。これも再試験の数が決まっており、それをクリアできないと卒業できないばかりか、資格試験すら受けられないです。
資格試験に向けての勉強は私の場合はただひたすら問題集を解きました。解いたものを見直しをしたり模試のやり直しを何回も行い、試験に備えました。やり直しだけではなく、教科書を読んだりしていました。
本番では早めにバスに乗り会場に向かい、ギリギリまで会場で参考書を読んでいま対sいました。周りの人たちも同じようなことをしていました。試験は150問中90問正解で合格です。緊張感で何度も試験中は見直しをしました。試験4時間をほぼ使って問題を見直しました。
そのかいもあり、准看護師試験に合格することができました。
HN(ハンドルネーム):みほ | 2023-05-09 00:01:35
私は看護師です。
看護師国家資格を受験いたしました。
3年間の専門学校の卒業資格をいただいた後に試験があります。
私が受験したころはちょうど合格発表が早まった時期で合格しなくては就職の内定も取り消しになるところでした。
学校自体が専門職を育てるという学校だったため、日々いらない科目はありませんでした。
もちろん「不可」なんて取れませんでした。
国家資格のための勉強は1年生からもちろん少しづつしなくてはいけませんでしたが、3年生に臨床実習もあったため実習での内容がそのまま試験にも直結する感じでした。
毎日の実習記録も真剣に書かなくてはいけない状態でした。日々が資格のためのというところでもあったのがよかったのかもしれませんが、自分が受かりたい気持ちは強かったと思います。
さてどのように勉強したのか?ですが。国家資格には必ず過去問題があります。
10年分の過去問題の赤本がありました。かなりの太さでしたのでそれを持ち歩くのも大変。
問題集を選ぶときに切り取れるものにしました。
科目ごとに切り取ってひもを通して持ち歩きました。問題集は3回繰り返しました。
3回を大体3か月集中攻撃して勉強をしました。
一つ例に挙げると「解剖整理」問題は全部4択でした。それを〇✖つけるだけならだれでもできるのです。
それを1問ずつ回答をしました。私はノートに書きこまない人だったので、その問題の回答がある個所の教科書にラインを引き、前後を読み、関連するものはその場で書き込みました。
そうすると同じような場所がよく出ていることに気が付きます。さすがに10年分ともなると最後のほうは覚えていました。
3回目の時に初めて問題集に回答を書いていました。
その頃の国家資格は教科書の古い言葉や欄外に書いているものからすごく出題されていたのを覚えています。
すごく大変でしたが、1回大変な思いをすると要領もつかめるし、解けた時の嬉しさは今でも忘れられません。一生で一番勉強したと思います。
もちろん合格をし、無事に就職をしました。
あの時の頑張りは忘れることができません。
だから今でも仕事を頑張れるんだと思います。
そしてお給料はもちろん上がりました!そして年々上がっています。
ぜひ大変ですが看護師資格に限らず、資格はとったほうが良いと思います。
きっと仕事をするうえでも就職をするうえでも資格は一番頼りになりますよ。