薬膳・漢方検定について
この記事は、文字実が執筆しました。
薬膳・漢方検定は、薬膳や漢方の普及活動を行うことにより、社会全体の公衆衛生向上に貢献することを目的として、一般社団法人日本漢方養生学協会により実施されている検定試験で、民間資格の1つです。
「薬膳」とは、中医学の理論に基づいて食材と調理法を選択し健康を考えた料理のことで、「漢方」とは、古代中国医学を基本とするもので、体の反応を見て診断するという、日本独自の発展・実践を遂げており、「日本の漢方」という意味で「和漢」とも呼ばれています。
「薬膳・漢方」とは、医学の知識を問うのではなく、薬膳に必要な漢方の基礎知識と、生活に応用されている考え方を学びます。
その上で、薬膳に基本的知識と代表的な食材の特徴を学び、からだの状態や体質に合わせて、また天候や季節などを考慮し、食材を選び使い分け、病気の予防に努めることを学ぶと言えます。
試験は、市販されている「薬膳・漢方検定公式テキスト(日本漢方養生学協会認定)」を中心に出題されます。
合格率は85%ですので試験自体の難易度は低めと言えるので、事前にきちんと勉強していれば合格する事ができるでしょう。
テキストには、重要ポイント、学習方法が書かれていますので、まずは、繰り返し読み込むことが、合格点である正答率70%への近道と言えます。
もちろん、関連するテキストや通信講座での勉強、会場は限定されますが、検定のためのスクールも開講されていますので、都合が許される人は参加するのも、より高い合格点が目指せるのではないでしょうか。
既に、薬膳や漢方に関わる仕事をしている人、これからその道を目指す人、資格取得の目的はそれぞれだと思われますが、受験した理由を見てみると、「興味がある50%」「仕事に役立てたい13%」「薬膳・漢方の資格が欲しい12%」「知識を試したい11%」となっています。また、年齢別では、「20代22%」「30代が30%」「40代40%」「50代15%」男女比は1:9となっています。
さらに、大まかに職業別でみると、会社員45%、主婦20%、学生7%、自営業6.5%、フリーランス5.5%、公務員3.2%となっており、特定の職業に限らずに非常に幅広い職業の方が受験しています。
このことから薬膳や漢方など、食事に関する健康法に関心を持っている人は非常に多いと考えられます。
「漢方・薬膳」に関心がある人は多く、健康、アンチエイジング、ダイエットなど普段の生活のヒントにしたいと思っている人も、増えていることは間違いないようです。
「薬膳料理」と聞くと、「薬みたい」「美味しくない」「難しい」などと思う人も多いと思いますが、普段、何気なく口にしている料理だとも言えます。
また、「薬膳」だからと言って、特別な食材や材料を使うものではなく、普段使用している食材や調味料を一工夫するだけで「薬膳料理」となるのです。
まずは、食材の効果や意味を知ることで、いつもの料理も「薬膳料理」に変身です。
昨今、健康・美容ブームでもあり、老若男女問わず健康志向が高まっています。
アンチ・エイジング、サビないからだ作り、治癒力・免疫力アップなどにも力を発揮する「漢方・薬膳」は、ストレスの多い現代社会に必要なものと言えます。
食は生命の基本であり、カラダを作るのは食であり「医食同源」です。
現代日本は、飽食の時代であり、本来、健康であるための食なはずなのに、食べることで、体調を悪くしたり、病気が悪化したり、なんて本末転倒です。
「薬膳・漢方」とは、食生活を見直し、食の大切さを確認できる検定のひとつなのかもしれません。
薬膳・漢方検定の概要
受験資格
年齢・性別・学歴・国籍等、受験資格の制限はありません。
試験内容
「漢方」の基本的な知識と考え方と、「薬膳」の基本的な知識と基本食材の特徴など、100問のマークシート方式です。
試験時間は60分です。
試験科目
日本漢方養生学協会認定が認定する、公式テキストから以下のような内容が出題されます。
- 第1章 現代の薬膳・漢方
- 漢方とは
- 養生とは
- 薬膳とは
- 第2章 漢方の基本
- 陰陽論
- 五行説
- 五行色体表
- 第3章 薬膳の基本
- 四気
- 五味
- 帰経
- 食のバランス
- 第4章 身近な食材
- 乾物
- 野菜・果物
- 魚・肉・その他
- 第5章 薬膳・漢方と暮らし
- 季節と養生
- 未病と養生
- 男女の年齢と養生
- 巻末企画 薬膳・漢方検定対策集
合格基準
70%以上の正解率で合格となります。
申込み期間
各試験日の約1ヵ月前まで。以下の2通りの申し込み方法があります。
- インターネットからの申し込み。
- 郵便払込取扱票での申し込み。
試験日
例年、2月と8月の第1日曜日に実施されています。(変更になることがあります。)
試験地
仙台、東京、大阪、福岡で実施されています。
※試験地は年ごとに変更されます。また受験会場は受験票にて案内されます。
合格発表日
試験日の後、1ヶ月程で、薬膳・漢方検定合格認定証と一緒に送付されます。
受験料
受験料は5,940円です。
再試験の場合は、5,465円です。(前回の10桁の受験番号が必要です)
問合せ先
一般社団法人日本漢方養生学協会
〒108-0074
東京都港区高輪3-25-29
TEL:03-3280-2219(10:00〜18:00/火〜金)
薬膳・漢方検定についてのコメント
薬膳・漢方検定について詳しい人や何か知っている人からのコメント(体験談等)を募集しています。
薬膳・漢方検定に興味がある人に役立ちますので、知っていることがあれば何でも大丈夫ですので、ぜひコメントをお願い致します。
1件
HN(ハンドルネーム):シスコ | 2023-05-09 05:00:42
仕事のストレスから体調を崩し、漢方を主に処方してくれる病院を受診しました。その時に医師から、漢方は西洋医学のように悪いところを治すのみだけでなく、患者の体質から改善していくということを聞き、漢方に興味を持つようになったのが受験のきっかけでした。特に就職に有利になるとか転職しやすくなるといった資格ではなく、趣味で受験される方が多いようです。
主に公式テキストを使って勉強しました。公式テキストには、漢方の歴史や普段食べているものが体にどう作用するかなど、興味深い内容が多く書かれていました。主な勉強法は、空いた時間にテキストを読むことだけでした。試験勉強をいうよりは、読書のような感じで楽しんで勉強することができました。試験勉強の期間は約1ヶ月です。
試験はマークシート式です。内容は公式テキストに書かれてあったものからほとんど出題されます。ただ、漢方なので難しい漢字のものが多く、混乱しないように注意をするべきだと思います。
合格すると、さらに漢方の知識を深めることができる「漢方養成指導士」のスクールに通う資格が与えられます。薬膳・漢方検定に合格すると、入学金1万円が免除されます。将来、漢方に関わる仕事がしたいと思っている人にも、趣味として漢方に関する知識を身につけたいと思っいる人にもオススメの資格です。