学校でバイオ技術に関する課程などに在籍している人におすすめ

バイオ技術者認定試験について

著者文字実のプロフィール写真この記事は、文字実が執筆しました。

バイオ技術者認定試験は平成6年(1994)から始まった、日本で最も歴史の長いバイオ技術関連の資格試験であり、バイオ技術者が持つべき知識、技術を認定することを目的とした認定試験制度です。

バイオ関連技術の資格は日本ではほとんど存在しておらず珍しい貴重な資格で民間資格の1つです。

バイオ技術者認定に合格することで得た資格は、バイオテクノロジー関連の企業への就職・転職に役立ちますし、キャリアアップにも活用することができるでしょう。

バイオテクノロジーは医療や食料分野で急速に進んでおり、私たち人類の生活を大きく豊かにできる可能性があるため非常に期待されている分野です。

近年、ビッグデータやAIなどのIT技術と融合させることで、急速に発展している成長分野であるために、非常に未来は明るい業界であると言えます。

まだまだバイオテクノロジーに関するエンジニアは数が少ない状態ですので、まだまだ多くの人がバイオ技術を学んで活躍することが期待されています。

バイオテクノロジーに関する資格や検定というのはほとんどなく、このバイオ技術者認定制度が日本に存在する唯一の資格と言えると思います。

ただ、残念ながら受験資格として、バイオ技術関連の課程の高校や大学に在籍・卒業している人に限定されてるため、入り口の段階で非常にハードルが高い資格試験になっています。

高校や大学で専門的に学んでいる人以外は受験することすらできないため、この資格を取得することができる人はかなり限定されてしまいます。

バイオ技術者として活躍している人のほとんどが大学などの研究機関で学習しているのが現実なので、資格制度というものの存在があまり必要の無い業界なのかもしれませんが、できるだけ多くの人に関心を持ってもらうためにも受験資格の制限が緩和されることが望まれるところです。

また、他のバイオテクノロジー関連の資格や検定がたくさん生まれることにも期待したいですね。

バイオテクノロジーと同じように成長著しいIT業界ではたくさんの資格や検定があり、幅広く関心を持つ人の取り込みに成功しているように思います。

バイオ技術者認定試験の概要

受験資格

各級それぞれ以下の受験資格があります。

【初級】

高等学校のバイオ技術に関する課程修了の在校生。

【中級】

次の1~4のいずれか一つに当てはまる者

  • 大学、短期大学および専門学校のバイオ技術に関する課程の 卒業した者、または 2学年修了者および2学年修了見込みの者。
  • 高等専門学校のバイオ技術に関する課程を卒業した者 および卒業見込みの者。
  • 高等学校卒業後、バイオテクノロジー関連業務における 実務経験を3年以上有する者。
  • その他、前項と同等以上であることを本学会が認めた者。

【上級】

次の1~3のいずれか一つに当てはまる者

  • 中級バイオ技術者認定試験に合格し認定証を取得した者。
  • 大学のバイオ技術に関する課程の3年次修了見込みの者、卒業者または卒業見込みの者。
  • 3年制以上の専門学校・短大のバイオ技術に関する課程の3年次修了見込みの者、卒業者または卒業見込みの者。

レベル

初級、中級、上級の3段階のレベルに分けて実施されています。

それぞれの級の想定レベルは以下の通りです。

【初級】
基礎生物学、基礎化学、遺伝・育種、食品・微生物、植物、バイオ実験技術の6つの分野について、基本的な知識と実験技術を習得していること。
【中級】
遺伝子工学技術や細胞工学技術などのバイオ技術分野の基盤となる生化学、微生物学、分子生物学、遺伝子工学の知識を持ち、指導者の指示のもとでバイオ関連実験を適切かつ安全に実行しうる能力を有すること。
【上級】
バイオ技術分野の基礎(核酸、タンパク質、機器等)から、応用(微生物バイオテクノロジー、動物バイオテクノロジー、植物バイオテクノロジー)に至る幅広い知識を持ち、バイオ関連実験を適切かつ安全に実行しうる能力を有すること。

試験内容

各級それぞれ以下の内容で筆記試験によって実施されています。

全ての級で多肢選択式のマークシート方式で実施されています。

【初級】
60分、50問。
【中級】
午前の部:90分、60問。午後の部:90分、90問。
【上級】
午前の部:90分、50問。午後の部:90分、60問。

試験科目

各級それぞれ以下の範囲から出題されています。

【初級】

基礎生物学8問、基礎化学8問、遺伝・育種8問、食品・微生物6問、植物10問、バイオ実験技術10問の合計50問

【中級】

午前の部:バイオテクノロジー総論60問(環境と安全性・バイオ機器・バイオ英語30問、生化学30問)

午後の部:微生物学30問、分子生物学30問、遺伝子工学30問

【上級】

午前の部:基礎バイオテクノロジー50問(核酸・タンパク質:30問、安全管理:10問、バイオ機器:10問)

午後の部:応用バイオテクノロジー60問(微生物バイオテクノロジー:20問、動物バイオテクノロジー:20問、植物バイオテクノロジー:20問

申込み期間

各級それぞれ以下の期間に受付されています。

【初級】
例年6月中の1〜2週間受付されています。
【中級】
例年11月中の1〜2週間受付されています。
【上級】
例年11月中の1〜2週間受付されています

試験日

初級は例年7月に実施されています。

中級と上級は例年12月に実施されています。

試験地

初級は申し込みをした学校で実施されています。

中級と上級は、全国の主要な都市で実施されています。

受験料

各級それぞれ以下の受験料が必要です。

【初級】
1,500円
【中級】
個人受験:7,000円、団体受験:5,000円
【上級】
個人受験:9,000円、団体受験:7,000円

問合せ先

特定非営利活動法人(NPO法人) 日本バイオ技術教育学会
〒104-0033
東京都中央区新川2丁目3-11
共立ビル5F
TEL:03-6262-8601 (問い合わせはFAXまたはメールにて受け付けられています。)
FAX:03-6262-8602
(E-Mail)
初級:syokyu@bio-edu.or.jp
中級・上級:exam@bio-edu.or.jp

参照:特定非営利活動法人(NPO法人) 日本バイオ技術教育学会

バイオ技術者認定試験についてのコメント

バイオ技術者認定試験について詳しい人や何か知っている人からのコメント(体験談等)を募集しています。

バイオ技術者認定試験に興味がある人に役立ちますので、知っていることがあれば何でも大丈夫ですので、ぜひコメントをお願い致します。

1件

HN(ハンドルネーム):岩崎 | 2023-05-08 13:21:55

上級バイオ技術者認定試験について。

農学部の遺伝子組換え等を扱う研究室に入った際、教官に進められて受験しました。
過去問をまとめた問題集が売られていましたので、そちらを購入して勉強しました。
内容としては、遺伝子組換え実験に必要な知識を問うものが中心となっており、問題は選択問題で構成されています。最低一年程度実験を行った後に勉強してテストに臨めば知識がより深まるのではないかと思います。というのも、選択問題の作りが甘いため、選択枝の全ての正誤がわからなくても、1つか2つの選択枝の正誤がわかってしまえば答えがわかってしまいます。ですので、テストの合格だけならば、過去問を使った短期間の勉強でも可能だと思います。ただ、問題の内容自体は悪くないので、ある程度実験に携わったあとに受けることをお勧めします。この資格の認知度は正直あまり高くありませんが、実験経験とともにこのテストに出る知識をつければ、基本的な遺伝子組換え実験のスキルはかなり上がると思います。
勉強期間は半年あれば十分だとおもいます。
自分が受けた時はまだ自分で実験をほとんどおこなっていない時期だったため、テストのための勉強になってしまいましたが、ぜひ少しでも良いので実験経験を積んでから受けてください。

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