ピアノ調律技能士について
この記事は、文字実が執筆しました。
ピアノ調律技能士とは、技能検定制度の一種であり、職業能力開発促進法第47条第1項による指定試験機関である社団法人日本ピアノ調律師協会が試験を実施している国家資格です。
ピアノの調律をする人をピアノ調律師と呼びますが、特にこの国家資格を持っている人は、ピアノ調律技能士と名乗ることができます。
ピアノ調律技能士の国家資格を持っていなくても、ピアノを調律する仕事は誰でも自由にすることができます。
資格を持っている者は、名刺やホームページに技能士であるという事を書くことが許される点が異なります。信頼性を上げることができ仕事を取りやすくなるというメリットがあるのでしょう。
ピアノ調律師として仕事をしていきたい人は、自分の技術的な証明になり社会的信用を高めることができるので、取得しておいた方がよい国家資格です。
実力と知名度だけがモノを言う音楽の世界で資格というのはほとんどないのですが、ピアノ調律業界で唯一の国家資格という事で、おもしろい資格です。
ピアノの市場は、少子化、ピアノ演奏家の減少、電子ピアノの高性能化などの影響で縮小傾向にあり、年間販売台数は3万台を切っています。厳しい環境にあることは間違いありませんが、どこかで下げ止まり横ばいになることが予想されています。
この厳しい環境において、少しでも自分の市場価値を上げるためにピアノ調律技能士の資格は役に立つでしょう。
ピアノ調律技能士の概要
受験資格
以下のような受験制限があります。
各級とも学科試験と実技試験があり、学科試験に合格した者だけが実技試験を受験することができます。
【1級】
- 7年以上の実務経験を有する者
- 大学(※2)卒業後、3年以上の実務経験を有する者
- 2級の技能検定に合格した者であって、その後2年以上の実務経験を有する者
【2級】
- 2年以上の実務経験を有する者
- 専門高校、短大、高専、高校専攻科、専修学校、各種学校、養成機関を卒業又は普通職業訓練を修了後、1年以上の実務経験を有する者
- 大学を卒業した者
- 3級の技能検定に合格した者
【3級】
- 1年以上の実務経験を有する者
- 大学、専門高校、短大、高専、高校専攻科、専修学校、各種学校、養成機関を卒業又は普通職業訓練を修了した者
- 大学、専門高校、短大、高専、高校専攻科、専修学校、各種学校、養成機関に在学する者又は普通職業訓練をうけている者
※1:実務経験とは、ピアノ調律に関する業務に携わった経験の事を意味します。
※2:養成機関の具体例としては、カワイ音楽学園、ヤマハピアノテクニカルアカデミー、アポロ調律藝術学院等があります。
試験内容
学科試験と実技試験で実施されています。
学科試験は、各級ともに以下の内容で実施されています。
試験時間:60分
出題数:50問
試験方式:マークシート(多肢選択式)
試験科目
以下のようなテーマから出題されます。
【学科試験】
音楽の基礎、音の性質、ピアノの歴史、ピアノの使用及び保守管理、ピアノの材料、ピアノ調律、ピアノ整調、ピアノ修理、ピアノのメンテナンス
【実技試験】
ピアノ調律作業(グランドピアノ、アップライトピアノ)、ピアノ整調作業(グランドピアノ、アップライトピアノ)、ピアノ修理作業(張弦)、センターピン交換、ダンパーワイヤー交換
試験日
毎月、全国の各会場で実施されています。
受験料
【学科試験】
8,500円(各級同じ
【実技試験】
1級:29,500円
2級:26,500円
3級:23,500円
問合せ先
(社)日本ピアノ調律師協会
TEL. 03-3255-3897
FAX. 03-3255-9246
E-mail. g-kentei@jpta.org
ピアノ調律技能士についてのコメント
ピアノ調律技能士について詳しい人や何か知っている人からのコメント(体験談等)を募集しています。
ピアノ調律技能士に興味がある人に役立ちますので、知っていることがあれば何でも大丈夫ですので、ぜひコメントをお願い致します。
0件