コンクリート診断士について
この記事は、文字実が執筆しました。
コンクリート診断士は、日本コンクリート工学会によって認定されるコンクリート診断・維持管理の知識・技術(硬化コンクリートの性質、劣化機構、診断手法、 補修・補強)を有しているかどうかを評価する資格であり、民間資格の1つです。
社会資本として地球上のコンクリートは、すでに100億㎥程度の膨大な量がストックされています。
これらのコンクリートは年月を経ると、様々な要因で劣化が始まりますが、適切な処置を講ずることにより構造物としての寿命を延ばすことが可能です。
近代建築においてコンクリート造りの建造物が増えている現在、事故防止などの安全面において、コンクリート診断士は必要不可欠な人材とされています。
一部では工事発注の要件にあげられたり、インフラの維持管理に関わる仕事の重要性が増すなどコンクリート診断士に対する期待は高まっており、需要も多い資格です。
地方自治体によっては、コンクリート診断士の設置や診断を義務付けているところもあります。
橋、浄水場、汚水処理場などのコンクリート構造物を対象とする点検業務や橋梁の長寿命化修繕計画の作成などが対象となっています。
補修工事の入札では、主任技術者や管理技術者がコンクリート診断士の資格を保有していると、総合評価落札方式で加点する自治体もあります。
コンクリート診断士は国家資格ではなく民間資格であるものの、高度な専門知識が求められれ難易度は高いです。
2019年度までは全国で会場を設けて実施されていた診断士講習会が廃止され、2020年度からはeラーニングによる講習に変更されました。
これにより、遠方の地から通う必要がなくなり、自宅でも講習を受ける事ができるので利便性が高まりました。
資格の更新は4年ごとで毎年10月に全国7都市で開催される研修を受け、最新の技術屋診断事例を学ばなければなりません。
コンクリート診断士の概要
受験資格
以下のいずれかの条件を満たし、かつ、コンクリート診断士講習会を受講した者に受験資格が認められます。
コンクリート診断士講習会は2020年よりeラーニングで受講する事ができるようになりました。
- コンクリート主任技士・コンクリート技士・一級建築士・技術士(建設部門)・技術士(農業部門―農業土木)・(特別上級・上級・1級)土木技術者(土木学会)・RCCM(鋼構造及びコンクリート)(建設コンサルタンツ協会)・コンクリート構造診断士(プレストレストコンクリート工学会)のいずれかを登録している者。
- 1級土木施工管理技士または1級建築施工管理技士のいずれかを登録している事、かつ、監理技術者資格者証を有すること。
- 大学・高等専門学校(専攻科)で、コンクリート技術に関する科目を履修した卒業者、かつ、コンクリート技術関係業務の4年以上の実務経験を有する者。
- 短期大学・高等専門学校で、コンクリート技術に関する科目を履修した卒業者、かつ、コンクリート技術関係業務の6年以上の実務経験を有する者。
- 高等学校でコンクリート技術に関する科目を履修した卒業者、かつ、コンクリート技術関係業務の8年以上の実務経験を有する者。
試験内容
制限時間は、3時間。
4肢択一式と記述式の記試験で実施されています。
2019年度から記述式問題は構造物の診断に関する問題(建築物と土木構造物から選択)のみとなり、試験時間が30分短縮されました。
試験科目
コンクリートの劣化・変状の事例、列車荷重、衝撃荷重、遠心荷重、車両横荷重・車輪横圧荷重、制動荷重・始動荷重、ロングレール縦荷重などが出題されます。
申込み期間
例年、7月〜8月くらいに申込の受付が行われています。
試験日
例年、7月下旬くらいの日曜日に実施されています。
試験地
札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、広島、高松、福岡、沖縄の9つの地域で実施されています。
受験料
以下の手数料が必要となります。
受講料:23,000円 (テキスト・願書代1000円を含む)
受験料:11,000円(消費税含)
資格の登録料:7,000円
問合せ先
公益社団法人日本コンクリート工学会
〒102-0083
東京都千代田区麹町1-7 相互半蔵門ビル12F
TEL:03-3263-1571
FAX:03-3263-2115
コンクリート診断士についてのコメント
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コンクリート診断士に興味がある人に役立ちますので、知っていることがあれば何でも大丈夫ですので、ぜひコメントをお願い致します。
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