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土木鋼構造診断士(補)について

著者文字実のプロフィール写真この記事は、文字実が執筆しました。

道路橋や架空送電線路用鉄塔など様々な構造物に鋼が使われています。

我が国の鋼構造物はかなり老朽化が進んでおり、社会基盤施設の中で鋼構造物を対象とした点検、診断は、安全性、使用性、耐久性を確保する上で、必要不可欠であり、重要な問題となっています。

土木鋼構造診断士は、土木鋼構造物の劣化や損傷に対して適切な点検、診断、対策の立案ができる能力に加えて、指導能力もある技術者を認定する資格で民間資格の1つです。

鋼橋だけではなく、河川や砂防などの鋼構造物も対象としています。

また、土木鋼構造診断士の補佐業務を担える技術者は、土木鋼構造診断士補と認定されます。

国土交通省の技術者資格登録制度では、土木鋼構造診断士は鋼橋の点検と診断業務で、土木鋼構造診断士補は鋼橋の点検業務で登録されています。

2019年には、土木鋼構造診断士がコンクリート橋の点検と診断業務、土木鋼構造診断士補がコンクリート橋の点検業務で追加されています。

2017年には、技術の研鑽や情報交換を目的に、資格保有者によって構成される「土木鋼構造診断士・診断士補ネットワーク」が設立されました。

2019年には東京、大阪、横浜、岐阜の4都市でワークショップが開催されるなど、活発な活動を行っています。

土木鋼構造診断士は、鋼構造物を点検、診断することにおいて以下の責任が求められています。

  1. 鋼構造物の安全性と信頼の確保
  2. 鋼構造物の維持管理に対する適正な判断
  3. 鋼構造物の点検・診断への支援
  4. 鋼構造物の正しい点検診断記録の提供

土木鋼構造診断士補の役割は、土木鋼構造診断士となるための能力や技術を習得することと土木鋼構造診断士の業務を補助することです。

資格を取得するには所定の講習会を受講し、試験に合格する必要があります。

土木鋼構造診断士(補)の概要

受験資格

講習会を受講するためには、以下の実務経験が必要です。

【大学の土木工学の課程を修めた卒業者】

土木鋼構造診断士は、実務経験7年以上(土木鋼構造診断士補資格取得者は登録後3年以上)。土木鋼構造診断士補は、実務経験1年以上。

【短期大学、高等専門学校、専門学校の土木工学の課程を修めた卒業者】

土木鋼構造診断士は、実務経験9年以上(土木鋼構造診断士補資格取得者は登録後5年以上)。土木鋼構造診断士補は、実務経験1年以上。

【工業高等学校の土木工学の課程を修めた卒業者】

土木鋼構造診断士は、実務経験11年以上(土木鋼構造診断士補資格取得者は登録後5年以上)。土木鋼構造診断士補は、実務経験3年以上。

【その他の学歴・課程】

土木鋼構造診断士は、実務経験13年以上(土木鋼構造診断士補資格取得者は登録後5年以上)。土木鋼構造診断士補は、実務経験5年以上。

【技術士(建設部門)の登録者】

登録後1年以上の実務経験。

※実務経験とは、主として鋼構造物の管理等(点検、維持、補修、補強等)に関する業務である。

レベル

土木鋼構造診断士と土木鋼構造診断士補の2種類があります。

試験内容

講習会と筆記試験によって実施されます。

土木鋼構造診断士は、択一式と論文記述式、土木鋼構造診断士補は択一式試験で実施されています。

試験科目

以下のよな範囲から出題されます。

  • 土木鋼構造診断士・診断士補制度について
  • 鋼構造の歴史と変遷
  • 鋼材
  • 防食法
  • 接合方法
  • コンクリートとその他の材料
  • 点検・診断と補修・補強の概要
  • 損傷の点検・診断のための計測
  • 腐食損傷の点検・診断と補修・補強
  • 疲労損傷の点検・診断と補修・補強
  • その他の損傷の点検・診断と補修・補強
  • コンクリート構造とコンクリート系床版
  • 道路橋
  • 鉄道橋
  • 港湾構造物
  • 水力発電関連構造物

合格基準

それぞれ合格基準は以下のようになっています。

【土木鋼構造診断士】

受験資格と講習会受講の要件を満たし、択一式問題、業務経験論文記述式問題、専門記述式問題の成績が全て合格基準を満たす者が合格となります。問題別の合格基準は下記のとおりです。

  • 択一式問題の合格点は60%以上の得点。ただし、試験の実施状況により合格点を変更する場合がある。
  • 業務経験論文記述式問題の合格点は70%以上の得点。
  • 専門記述式問題の合格点は70%以上の得点。

択一式問題の成績が合格基準に満たない者については、業務経験論文記述式問題、専門記述式問題の採点は行われません。

【土木鋼構造診断士補】

受験資格と講習会受講の要件を満たし、択一式問題の成績が合格基準を満たす者が合格となります。合格基準は下記のとおりです。

  • 合格点(択一式問題)は54%以上の得点とする。ただし、試験の実施状況により合格点を変更する場合がある。

試験地

例年、東京と大阪の2カ所で実施されています。

受験料

それぞれ以下の受講料・受験料が必要となります。

【土木鋼構造診断士】

  • 受講受験(テキスト代込):30,000円
  • 受講のみ(テキスト代込):20,000円
  • 再受験(テキスト無し):10,000円
  • 再受験(テキスト有り):14,500円

【土木鋼構造診断士補】

  • 受講受験(テキスト代込):26,200円
  • 受講のみ(テキスト代込):20,000円
  • 再受験(テキスト無し):6,200円
  • 再受験(テキスト有り):10,700円

問合せ先

一般社団法人 日本鋼構造協会
〒103-0027
東京都中央区日本橋3-15-8 アミノ酸会館ビル3階
TEL:03-3516-2151
(代)FAX:03-3516-2152
E-mail:JSSC-INFO@jssc.or.jp

参照:一般社団法人 日本鋼構造協会

土木鋼構造診断士(補)についてのコメント

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土木鋼構造診断士(補)に興味がある人に役立ちますので、知っていることがあれば何でも大丈夫ですので、ぜひコメントをお願い致します。

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