統計検定について
この記事は、文字実が執筆しました。
私たちは情報革命の真っ只中に生きており、あらゆる情報がデジタル化されてクラウドに保存されています。
保存される情報量は次数関数的に増加しており、その勢いはまだまだ止まる気配がありません。
自然科学・人文社会科学を問わずあらゆる学問領域やビジネスなどの実社会で、膨大なデータが保存され活用されています。
膨大なビッグデータを分析して活用するためには統計学の知識とスキルが必要です。
多くの企業がビッグデータを活用し始めており、統計学の知識とスキルを有してデータを基にした判断ができる人材は非常に重宝されています。
グーグルやフェースブックなどのIT企業が統計学のできる一流の人材の引き抜き合戦をしているということからもわかるように、 統計学に長けている人はどの業界の企業も欲しい人材であり、かなり簡単に就職や転職ができるという状態になっています。
大学、大学院、博士課程で統計学などを専攻していれば、それをアピールできるのですが、そうではない文系などの人が、統計学のスキルをアピールするのにこの統計検定は役立つことでしょう。
IoT(Internet of Things)というあらゆるモノがインターネットに繋がる時代になるにつれて、まだまだビッグデータに格納されるデータ量は増加します。
その膨大なビッグデータを解析するために統計学の知識が必ず役立ちます。
これから訪れる情報革命におけるキーワードは人工知能( AI:Artificial Intelligence)、IoT(Internet of Things)、クラウド、ビッグデータ等であり、統計学によってこれらを最大限に活用することができます。
この統計学検定はまだスタートしてから数年くらいしか経過していない歴史の浅い検定試験ですが、これから受験者数が伸びていき、資格・検定の価値が高まっていくと予想できます。
実際に過去数年の統計検定の申込者数の推移を見ても、全ての級で右肩上がりで増加しています。
まだ始まって5年くらいの検定試験にもかかわらず2015年には延べ申込者数が1万人を優に突破しています。
時代の流れから考えても、統計学に対する注目度の高さからしてもしばらくはこの流れは続くと思われます。
できるだけ多くの人に挑戦して欲しいオススメの検定試験です。
ビジネスに関わるあらゆる人、統計学に興味がある人、文系だけど仕事で統計学の知識やスキルが必要になった人、就活や転職活動を有利にすすめたい人など、難易度によって級が分かれていて受験しやすくなっていますので、ぜひチャレンジして見てください。
統計検定の概要
受験資格
受験資格は特にありません。
誰でもどの級からでも受験することができます。
レベル
以下のようなレベル分けがされています。
- 1級
- 大学専門課程(3・4年次)レベル
- 準1級
- 大学おいて統計学の基礎的講義に引き続いて学ぶ応用的な統計学の諸手法の習得レベル
- 2級
- 大学基礎課程(1・2年次学部共通)レベル
- 3級
- 高校卒業段階までに求められる統計活用力
- 4級
- 中学校卒業段階までに求められる統計活用力
- 統計調査士
- 統計の役割、統計法規、公的統計が作成される仕組み等に加えて、主要な公的統計データの利活用方法に関する正確な理解
- 専門統計調査士
- 調査の企画・管理、ならびにデータの高度利用の業務に携わる上で必要とされる調査企画、調査票作成、標本設計、調査の指導、調査結果の集計・分析、データの利活用の手法等に関する基本的知識と能力
試験内容
各級によって試験内容は異なっています。それぞれ以下の通りです。
- 1級
- 統計数理と統計応用の2つの試験で構成され、ともに論述式試験になっています。時間は午前と午後に各90分ずつ。
- 準1級
- 多肢選択式(マークシート方式)が20〜30問、部分記述問題が5〜10問、論述問題が3問出題されます。時間は120分。
- 2級
- 5肢選択問題(マークシート方式)で30〜40問出題されます。時間は90分。
- 3級
- 4〜5肢選択問題(マークシート方式)で20問程度出題されます。時間は60分。
- 4級
- 4〜5肢選択問題(マークシート方式)で15問程度出題されます。時間は60分。
- 統計調査士
- 5肢選択問題(マークシート方式)で30問出題されます。時間は60分。
- 専門統計調査士
- 5肢選択問題(マークシート方式)で40〜50問出題されます。時間は90分。
試験科目
各級のレベルに応じた統計学に関する範囲から出題されます。
具体例として4級では以下のような問題が出題されています。
- 基本的なグラフ(棒グラフ・折れ線グラフ・円グラフなど)の見方・読み方
- データの種類
- 度数分布表
- ヒストグラム(柱状グラフ)
- 代表値(平均値・中央値・最頻値)
- 分布の散らばりの尺度(範囲)
- クロス集計表(2 次元の度数分布表:行比率,列比率)
- 時系列データの基本的な見方(指数・増減率)
- 確率の基礎
合格基準
- 1級
- 統計数理と統計応用のそれぞれに合否判定がなされますが基準は未公表。
- 準1級
- 未公表
- 2級
- 100点満点中60点以上で合格
- 3級
- 100点満点中70点以上で合格
- 4級
- 未公表
- 統計調査士
- 100点満点に対して70点以上程度で合格
- 専門統計調査士
- 7割程度以上の正解率で合格
申込み期間
資格試験日の約2ヶ月前くらいの1ヶ月間くらい(3〜4月と9〜10月)が申込期間となっています。
2級と3級はCBT方式で受験することができ随時受付されています。
試験日
6月と11月の年2回実施されています。
2級と3級はCBT方式で受験することができいつでも指定の日に受験することができます。
試験地
以下の試験地で実施されています。
札幌、仙台、東京、立川、松本、名古屋、大阪、福岡。
2級と3級はCBT方式の試験が実施されており、その場合には全国の指定された会場(180カ所程度)で受験が可能です。
合格発表日
試験日の約1ヶ月後くらいに結果通知書と合格証が発送されます。
受験料
各級それぞれ以下の受験料が必要です。
- 1級
- 統計数理および統計応用の場合は10,000円。どちらか一方だけの場合は6,000円。
- 準1級
- 8,000円
- 2級
- 5,000円
- 3級
- 4,000円
- 4級
- 3,000円
- 統計調査士
- 5,000円
- 専門統計調査士
- 10,000円
問合せ先
一般財団法人 統計質保証推進協会
〒101-0051
東京都千代田区神田神保町3-6
TEL:03-3221-0423
CBT方式に関しては以下のオデッセイコミュニケーションズが問い合わせ先になっています。
株式会社オデッセイコミュニケーションズ・カスタマーサービス
TE:03-5293-1881(受付時間:平日10時~18時)
E-Mail: mail@odyssey-com.co.jp
統計検定についてのコメント
統計検定について詳しい人や何か知っている人からのコメント(体験談等)を募集しています。
統計検定に興味がある人に役立ちますので、知っていることがあれば何でも大丈夫ですので、ぜひコメントをお願い致します。
1件
HN(ハンドルネーム):ビッグデータの時代には統計の力が必須 | 2023-05-08 06:15:17
政府もオープンデータなんて言って色々なデータを公開するようになりましたし、身の周りを少し見てみるとあらゆるデータであふれかえっていることに気がつきます。これからは生きていく上で統計の知識が必須だというようなことを言うような人もいます。そこで文系なのですが統計検定2級という資格を取得いたしました。2級というのはだいたい大学の基礎科目レベルということですので、統計を学習するのが初めての社会人が取るのにはちょうど良いレベルかと思います。難易度は文系の人間には高いと感じました。微分積分の知識やら高校生レベルの数学知識が必須です。ですが、そこをクリアできてしまえば独学で三ヶ月ほどで確実に取得できる資格だと思います。わたしの勉強法としましては公式テキストをわからないなりに読み込んで、あとは過去問をやりこむことです。過去問でわからない問題がないという状態にまでやるんです。公式テキストが難しいので補助で他にも数冊読んだりWEBでも調べると良いでしょうね。そこまでやってだいたい正答率8割といったところでしたね。統計検定2級を取得できたから統計をつかってすぐに何ができるというわけではありません。ようやく統計の入り口に立てたというだけです。ですが、統計をやるのには必須の知識が出題されしっかりと学習できますので統計に興味がある人にはぜひオススメしたいですね。CBT方式での試験も開催しているのでいつでも受験できて忙しい社会人にもやさしい資格です。