特定建築物調査員は大型商業施設の安全確保を行う

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特定建築物調査員(旧特殊建築物等調査資格者)について

著者文字実のプロフィール写真この記事は、文字実が執筆しました。

ホテル・デパート・病院・劇場・マンションなど不特定多数の大衆が利用する公共性の高い建物では、利用者の安全を図るため建築基準法によって建築物の定期的な検査をし特定行政庁に報告することが義務付けられています(建築基準法第12条第1項)。

ホテルやデパートなどの大型の特定建築物については不特定多数の者が利用するため、建物の老朽化などで事故や災害が発生すると損害が大きなものになる危険性があります。

このような重大な事故等を未然に防ぎ建築物等の安全性や適法性を確保するために、建築基準法は専門の技術者による建築物等の定期的な調査・検査と特定行政庁への報告を義務付けています。

特定建築物調査員は、この特定建築物の定期点検・調査を行い特定行政庁に報告することができる国家資格です。

特定建築物調査員は国や地方公共団体が所有する建築物についての調査や点検を行うこともできます(建築基準法12条2項)。

少し細かいのですが、1項は民間が所有する建築物についての規定で、2項が国等が所有する建築物の規定となっており、いずれにせよ特定建築物調査員は両方の調査・点検や報告を行うことができます。

以前は「特殊建築物等調査資格者」と呼ばれていましたが、建築基準法の改正に伴って現在は「特定建築物調査員」という名称になっています。

以前の「特殊建築物等調査資格者」は新たに講習を受けることなく新資格である特定建築物調査員の資格者証の交付を受けることができます。

不特定多数の者が利用する大規模な公共性の高い建物は年々増加しているため、多数の人の生命・身体の安全を守るため特定建築物調査員の役割は広がっています。

資格を取得するためには、特定建築物調査員講習を受講し、その後の修了考査に合格する必要があります。

建築物の検査等の業務をしている会社にとっては特定建築物調査員の有資格者は必ず必要な人材であるために、求人も継続的に出ているので持っていると役立つ国家資格です。

この特定建築物調査員は、建築物について調査・点検することができる資格であり、建築物の設備等について調査・点検することができる資格として建築設備検査員があります。

なお、特定建築物調査員以外に一級建築士、二級建築士の人もこれらの業務を行うことができます。

(参照条文)
【建築基準法第12条第1項】
第6条第1項第1号に掲げる建築物で安全上、防火上又は衛生上特に重要であるものとして政令で定めるもの(国、都道府県及び建築主事を置く市町村の建築物(以下この項及び第三項において「国等の建築物」という。)を除く。)及び当該政令で定めるもの以外の特定建築物(同号に掲げる建築物その他政令で定める建築物をいう。以下この条において同じ。)で特定行政庁が指定するもの(国等の建築物を除く。)の所有者(所有者と管理者が異なる場合においては、管理者。第三項において同じ。)は、これらの建築物の敷地、構造及び建築設備について、国土交通省令で定めるところにより、定期に、一級建築士若しくは二級建築士又は建築物調査員資格者証の交付を受けている者(次項及び次条第3項において「建築物調査員」という。)にその状況の調査(これらの建築物の敷地及び構造についての損傷、腐食その他の劣化の状況の点検を含み、これらの建築物の建築設備及び防火戸その他の政令で定める防火設備(以下「建築設備等」という。)についての第3項の検査を除く。)をさせて、その結果を特定行政庁に報告しなければならない。
【第2項】
国、都道府県又は建築主事を置く市町村の特定建築物の管理者である国、都道府県若しくは市町村の機関の長又はその委任を受けた者(以下この章において「国の機関の長等」という。)は、当該特定建築物の敷地及び構造について、国土交通省令で定めるところにより、定期に、一級建築士若しくは二級建築士又は建築物調査員に、損傷、腐食その他の劣化の状況の点検(当該特定建築物の防火戸その他の前項の政令で定める防火設備についての第四項の点検を除く。)をさせなければならない。ただし、当該特定建築物(第6条第1項第1号に掲げる建築物で安全上、防火上又は衛生上特に重要であるものとして前項の政令で定めるもの及び同項の規定により特定行政庁が指定するものを除く。)のうち特定行政庁が安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めて建築審査会の同意を得て指定したものについては、この限りでない。

特定建築物調査員(旧特殊建築物等調査資格者)の概要

受験資格

以下のいずれかに該当する者しか特定建築物調査員講習を受講することができません。

  1. 大学卒業後、2年以上の実務経験を有する者
  2. 修業年限3年の短期大学卒業後、3年以上の実務経験を有する者
  3. 短期大学、高等専門学校卒業後、4年以上の実務経験を有する者
  4. 高等学校を卒業後、7年以上の実務経験を有する者
  5. 建築に関する実務経験を11年以上有する者
  6. 建築行政の実務経験を2年以上有する者
  7. 消防吏員として、火災予防業務の実務経験が5年以上ある者
  8. 甲種消防設備士、または防火対象物点検資格者として実務経験を5年以上有する者
  9. 一、二級建築士、建築基準適合判定資格者の有資格者
  10. 上記と同等以上の知識及び実務の経験を有する者

※1〜4に関しては、工学関する課程(建築工学科、建築学科、電気工学科等)を修めて各学校を卒業していることが必要となります。

試験内容

講習と修了考査(多肢選択式の筆記試験)によって実施されています。

試験科目

以下の内容の講習が行われ、その中から出題されます。

1日目
特定建築物定期調査制度総論(1時間)、建築学概論(5時間)
2日目
建築基準法令の構成と概要(1時間)、特殊建築物等の維持保全(1時間)、建築構造(4時間)
3日目
防火・避難(6時間)、その他の事故防止(1時間)
4日目
特定建築物調査業務基準等(4時間)、修了考査(2時間)

申込み期間

例年以下の期間に受付されています。

例年6月くらいから。

試験日

各地域によって異なりますが、10月から12月くらいに4日間で実施されています。

試験地

以下の試験地で実施されています。

東京、名古屋、大阪、福岡

受験料

以下の受講料が必要となります。

51,840円(テキスト代含む・消費税込み)

問合せ先

一般財団法人 日本建築防災協会
〒105-0001
東京都港区虎ノ門2-3-20 虎ノ門YHKビル3F
TEL:03-5512-6451
FAX:03-5512-6455

参照:一般財団法人 日本建築防災協会

特定建築物調査員(旧特殊建築物等調査資格者)についてのコメント

特定建築物調査員(旧特殊建築物等調査資格者)について詳しい人や何か知っている人からのコメント(体験談等)を募集しています。

特定建築物調査員(旧特殊建築物等調査資格者)に興味がある人に役立ちますので、知っていることがあれば何でも大丈夫ですので、ぜひコメントをお願い致します。

1件

HN(ハンドルネーム):yonehii | 2023-05-09 04:46:56

建築基準法の改正に伴い、資格名が特定建築物調査員に変更されました。また、防火設備検査員という資格が新設されました。

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